2019年7月3日 更新

「電商法」とは?ついにはじまった「中国電商法」の基礎知識

越境EC販売や日本本土リアル店舗のインバウンド対策に関わる中国の「電子商務法」(電商法)。 日本国内の小売ショップやメーカーは少なからず、影響を受けていることでしょう。そこで今回は、中国電商法とはどのようなものなのかご紹介します。

「電商法」(電子商務法)とは?

2019年1月1日に、中国で電子商取引を規制するためのルールである「中華人民共和国電子商務法(以下、電商法)」が施行されました。これは中国初のECに特化した法律です。
 (3761)

施行された電商法(概要)

1.電子営業許可書の取得、及び自身のストア上への掲載
2.デポジットの返金の円滑化
3.悪い評価・コメントを勝手に消すことの禁止
4.本人の許可がない個人情報の転用の禁止
5.過去の取引記録などを利用し、常連客に高値で売りつけるなど、顧客によって商品詳細を変更することの禁止
6.ECビジネスを営む全員の納税義務 ※重要
※特定販売を除くケースがございます。
ECプラットフォームに対しては下記の条目(概要)が記載されました。
1.取引記録の3年間の保存
2.キャンペーン期間中に、売り手に対し強制的に使用プラットフォームを1つに限定させることの禁止
3.Tmallや京東などにおいて「自営」の標示の明確・必須化
4.プラットフォーム経営者の、公平かつ秩序ある取引環境の整備への協力、有事に法的責任を問われること

「電商法」が実行される目的


以上の幅広い内容を含む新しい電商法の主な目的としては、「市場の安全性を高め、合理的で秩序のある取引を維持する」ことです。売り手やプラットフォーム運営者を全て公的に登録することにより、消費者が安心して購買することができるようになります。

近年多くのプラットフォームの登場など、中国国内でECのあり方が多様になるに伴い、取引に関わる不正やトラブルも多様化していました。公的文書である許可書の掲載を義務付けることで、偽物の販売の防止や、不当な価格競争を回避できるというメリットもあります。この電商法では、こうして乱れた市場を一度しっかり取り締まり、消費者の安全な取引を確保するという意義があります。

中国政府当局の狙いは「ソーシャルバイヤー」の規制?!

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日本でも一時期注目を集めた「爆買い」の裏には、ソーシャルバイヤーの存在がありました。非公式統計によりますと、日本にはすでに45万人もの中国人ソーシャルバイヤーがいると言われており、彼らは日本で購入した化粧品や生活品を独自のネットワークを使って中国国内で販売しています。

「電商法」による彼らにとっての大きな変更点は、これまで曖昧にされていた「自分のネットワークを通じた商品の販売」や「ライブコマース」などについても、れっきとした越境ECと見なすようになったことです。
これによりソーシャルバイヤーも、EC自営者として公的に登録申請をし、営業許可を得る必要が生じました。同時に、所得税等の納税義務も発生し、ビジネスの大小に関わらず、収入を申告し納税するという手間が増えました。これはつまり、ソーシャルバイヤーとしての営業費用(管理・税務などを含める)が大幅に増加することを意味します。

実は、このソーシャルバイヤーによる購入代行は、中国政府からは少なからず問題視されていました。納税を回避するケースや、個人情報の管理が不適切であるケースなどが多々報告されており、今回の電商法は、政府がこの状況を本気で取り締まりに来ているものとも解釈できます。

越境ECについてはむしろチャンス到来?

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「中国電商法」は、中国だけでなく日本企業にも影響があります。代理購入者が規制されたことを受け、中国人訪日客向けにインバウンドマーケティングを実施している日本企業は、売上が減るリスクがあり、今までとは異なる取り組みをしていく必要があるでしょう。

しかし一方で、自社製品を自社が売る形で越境ECに取り組んでいる日本企業にとっては、代理購入者が減ることはむしろチャンスでもあり、かえって好機が巡ってきたと言えます。この機会に本格的に越境ECに取り組んでみるのも良いのではないでしょうか。


如何でしたでしょうか?

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