2019年6月14日 更新

【記事コラム】ブランド立ち上げわずか2年の中国コスメブランド「完美日記(Perfect Diary)」、淘宝と天猫の月間売上ランキングで資生堂を上回る第7位を獲得

「小紅書」と「ビリビリ動画」をマーケティングの主戦場として、この2年間で急速に人気を集めている中国国産のコスメブランド「完美日記(Perfect Diary)」、「淘宝」&「天猫」のコスメ部門月間売上ランキングでは、海外トップブランドを押さえて、堂々の第7位にランクインしました。いま中国で最も注目を集める同ブランドのマーケティング戦略についてご紹介します。

玩转小红书和 B 站,新国货「完美日记」90分钟卖了1个亿 | 新世代崛起之后的“美丽生意”③
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台頭する中国の国産コスメブランド

台頭する中国国産コスメブランド「完美日記(Perfec...

台頭する中国国産コスメブランド「完美日記(Perfect Diary)」

“Z世代”と言われる95年以降生まれの若者層は、すでに全てのジャンルにおいて核心的な消費者となっており、中国の既存の消費スタイルに変革を及ぼし始めている。そんな中、化粧品に代表される“美容ビジネス”はいま目覚ましい成長を遂げ、中でも中国国産ブランドが急速に頭角を現してきている。

中国の国産コスメブランドは、コンテンツ制作や販売チャネル、プロモーションにおいても巧みにターゲット毎に最適化を行い、特に“90後”や“95後”の若者が集まる「小紅書(RED)」や「ビリビリ動画(bilibili)」などのプラットフォームを主戦場として、プロモーション費用も集中投下している。

中国市場で大きな存在感を持ち始めた国内コスメブランドだが、その中でいま最も注目すべきブランドは「完美日記(Perfect Diary)」だ。
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2018年9月9日に実施された“天猫99”の大セールで、完美日記は「メイベリン」や「ロレアル」等の外資系ブランドを抑え、化粧品の売上高で1位に輝く。また同年のW11(ダブルイレブン)では、開始から1時間28分の速さで「天猫(Tmall)」コスメ部門で初めて売上1億元(16億円)を超え、国産コスメの“ダークホース”と呼ばれた。

さらに2019年1月の「淘宝(タオバオ)」&「天猫(Tmall)」のコスメ部門月間売上ランキングで、「ジバンシー」「資生堂」「ディオール」「アルマーニ」等の海外トップブランドを押さえて、堂々の第7位にランクイン。2017年8月に「天猫」に旗艦店を開設してからわずか1年半、ブランド設立からたったの2年余りでこれほどの急成長を遂げている。

完美日記の創業者がブランドに望むことは、ネット通販コスメの新しい「ロレアル」や「エスティ―ローダー」として国際的な影響力を持ち、“Chinese Beauty”のアイコンになることだと言う。「完美日記」の商品価格帯は39元~100元で、マーケティングの鍵となるのはソーシャルメディアの特性に応じたチャネルの使い分けだ。

完美日記の微信(WeChat)マーケティングの捉え方

完美日記の「微信(WeChat)」公式アカウント

完美日記の「微信(WeChat)」公式アカウント

ブランドのソーシャルメディアマーケティングで外せない「微信(Wechat)」公式アカウントの運用だが、「完美日記」のアカウントを見ると、たった「26件」の投稿しか行っていないことがわかる。なぜなのか?中国コスメブランドで「完美日記」と同様、この2年で頭角を現したスキンケア系の「HFP(HomeFacialPro)」と比較すると、両者の「微信(Wechat)」マーケティング戦略の捉え方の違いが理解しやすい。

「完美日記」の微信公式アカウントの投稿数は「HFP」に遠く及ばす、また投稿内容はブランド単独の紹介ではなく他ブランドの商品と一緒に、或いは比較形式で紹介されるコンテンツが多い。「完美日記」の投稿数が少ないのは、決して広告予算が足りないからではなく、商品特性の違いによって異なるチャネルやコンテンツを使い分けているからだ。スキンケアコスメを中心に取扱う「HFP」と、メイクアップコスメを主とする「完美日記」では、消費者にアピールするために必要な情報や見せ方が異なると言う。

スキンケアコスメの消費者は、その成分やアレルゲンに注目するため、宣伝チャネルとなるプラットフォームは写真だけでなく沢山の文字を掲載できるものでなければならない。特に新興ブランドでは、ブランドの歴史、製品の成分、研究開発、安全性など多方面にわたる情報をユーザーにアピールして、ブランドの安全性や商品の効果を伝える必要がある。

一方のメイクアップコスメでは、塗った後の発色や艶などの見た目が重視される。そのため、完美日記は「微信(WeChat)」よりもより多くの画像を掲載できる「小紅書(RED)」や「ビリビリ動画(bilibili)」を重要なマーケティングチャネルと捉えている。

完美日記のマーケティングの主戦場は「小紅書(RED)」

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中国のコスメフリークたちが、必ずと言っていいほど利用しているアプリが「小紅書(RED)」だ。「小紅書」のユーザーは90%近くが若い女性で、投稿されるコンテンツはコスメ、サプリ、アパレルなどを中心とし、中国のコスメファンが多く集まるコミュニティとして、アクティブユーザー数やコンテンツ制作能力で高い水準を保っている。

2019年1月までに「小紅書」のユーザー登録者数は2億人を突破し、DAU(デイリーアクティブユーザー)は1000万を超えた。ユーザーの年齢構成は25~35歳が63%を占め、この年齢層は収入が安定、或いは上昇傾向にあることが多いため、比較的購買能力が高い消費者層だと言える。
「小紅書」のユーザー年齢構成

「小紅書」のユーザー年齢構成

現在、小紅書(RED)の「完美日記」アカウントのフォロワー数は135万で、前述の「HFP」が6.4万、「MAC」が6.2万、「ロレアル」が10.9万であるのに比べると、「フォロワー数135万」という数の圧倒的な多さがわかる。

「完美日記」が小紅書でKOL(インフルエンサー)を使ったマーケティングに乗り出したのは2017年末で、「完美日記」は商品の基本コンテンツをKOLに提供、KOLはこれをベースに自信で内容を再構築する。芸能人、トップKOL、一般KOL、ユーザーが入り乱れてサイトへの書き込みを行い、さらにその内容が転載される形で広く拡散していった。また「完美日記」の公式アカウントに投稿されたコンテンツは321件で、基本的に全てがKOLによって制作されたものだ。
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「完美日記」は小紅書でのマーケティング戦略は、1.スター(明星)>2.トップKOL>3.一般KOL>4.ユーザー(素人)の順に基づき、各階層のKOLを上手く利用しながら情報を拡散させていく。

芸能人やKOLを起用した宣伝効果は高く、60%以上のユーザーがスターと同じアイテムを購入したいと考え、70%以上がKOLがオススメする商品に対し好意的な態度を示したと報告している。

つまり「完美日記」の情報拡散の方程式は、まず女優やモデルなどのスターによる消費者の注意喚起・話題を作り、その後にトップKOL・一般KOLによる商品検証やレコメンドで、消費者の購買欲を刺激する。そして一般ユーザーが実際に商品を購入したあと自発的にレビューを掲載することで、更に情報が拡散されていくことになる。

ビリビリ動画はフォロワーのロイヤリティーが圧倒的に高い

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ビリビリ動画(bilibili)も、「完美日記」にとって非常に重要なマーケティングの戦場である。

「ビリビリ」は24歳以下の若者ユーザーに指示されるアプリで首位の人気を誇る。主なユーザーは1990~2009年生まれの人たちで、全体の81.7%を占める。また50%以上のユーザーが北京、上海、広州に住む都会の学生たちで、生まれた時からインターネットや経済基盤が整った環境で育ち、比較的高い消費意欲を持つことから、各ブランドが争奪戦を繰り広げるターゲット群だ。

またビリビリのコスメコミュニティには多くの美容系UP主(動画を投稿するKOLをビリビリではUP主と呼んでいる)がおり、人気の美容系UP主のフォロワー数は1万から数十万以上に上り、動画再生数は人気の高いもので数十万回となる。

中国のネット人口を考えると、このフォロワー数や再生回数は少なく感じるかもしれないが、ビリビリでは、1つのIPアドレスからの動画再生を1回の動画再生とカウントしているため、動画再生回数=動画を視聴したユニークユーザーと捉えることができる。また学生ユーザーも多い「ビリビリ動画」では、大学構内や学生寮など、1つのIPアドレス下で複数のユーザーが動画を視聴していることが十分に考えられ、他プラットフォームの動画再生数に換算すると10倍以上の再生数になるだろう、と試算する専門家もいる。

ビリビリでUP主がオススメするアイテムは、コストパフォーマンスが良い商品が人気だが、「完美日記」はその点に注意しながら、訴求ポイントを整理した動画マーケティングを展開しているという。

また最も重要なポイントとして、1本あたりの動画の「尺」が長いのが特徴だ。「TikTok」が1分間、「微博(Weibo)」が5分以内なのに対し、「ビリビリ」では10分以上の“ロング動画”が多く存在している。「2018年度KOL業界白書」によると、フォロワーのロイヤリティーは他のプラットフォームと比べて最も高く、たとえ10分以上のロング動画であってもフォロワーが離れないため、時間の制約をあまり受けずに質にこだわったコンテンツを制作することが可能となり、この点が「完美日記」が動画マーケティングの戦場としてビリビリを重要視している最大の理由とも言える。

“Z世代”を惹きつけるには、上質のコンテンツで彼らの心を掴むことが必要だ。ユーザーと効果的なコミュニケーションを実現するために、各ブランドは趣味性、新奇性、価値観にフィットするコンテンツを提供することが重要となる。

中国で国産ブランドが台頭し始めたのはなぜか?

“90後”の中でも特に95年以降生まれの若者は、自分らしいライフスタイルを追求する傾向が強く、新しい消費スタイルを生み出している。消費に対する価値観は“他者からの承認型”から“自身の体験型”へと進化し、闇雲にラグジュアリーな贅沢品を追い求め、大きなブランドロゴが好まれたかつての時代から、より個性的な商品や自分が楽しむための商品が求められるようになってきている。

「小紅書(RED)」が行っているユーザーのモニタリングでは、彼らの消費行動に変化が見られ、ビッグブランドではない中小メーカーの商品が売れ始めていると言う。

ある市場関係者は、もはや「微信」や「微博」への単一的なアプローチは意味がないと言う。完美日記、HFPなどの中国ブランドのように、「微信」の公式アカウント、「微博」と連動した「小紅書」、「ビリビリ動画」や「TikTok」等の新しい動画メディアも駆使しながら、立体的なコンテンツマーケティングを組み立てること、それを成功させることがブランド台頭の鍵となると言う。

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