2019年6月14日 更新

【記事コラム】1日のライブ配信件数が5万件を超える「淘宝直播(タオバオライブ)」が単独アプリとしてリリース

淘宝(タオバオ)のライブ配信ツール「淘宝直播(タオバオライブ)」のアプリ版が登場しました。これまでは、淘宝の中の一つの機能として提供されていた「淘宝直播」ですが、ライブコマースの独立したプラットフォームとして生まれ変わり、淘宝や天猫(Tmall)の出店者や「ライバー(ライブ配信者)」から注目を集めています。

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淘宝直播另起炉灶 中小主播及商家机会来了
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単独アプリとして切り出し、ライブ視聴に最適化したショッピング体験を目指す

淘宝のライブ配信ツール「淘宝直播(タオバオライブ)」は、化粧品、日用品、雑貨、ベビー、ファッション、グルメ、スポーツやフィットネスなど、そのカテゴリーは多岐にわたる。

2016年3月からテスト運用を始め、視聴ユーザー数は1000万人超、毎日5万件以上のライブ配信が行われており、視聴者の半数以上が「90後」(1990年代生まれ)の若者だという。また、2018年には81名のライバー(ライブ配信者)が年間1億元(約16億円)以上の売上額を達成したと大きな話題となった。

2019年1月中旬、この「淘宝直播」の単独アプリが登場、これまでは淘宝の中の一つの機能として提供されていた「淘宝直播」だが、“Eコマース”+“ライブ配信”の「ライブコマース」の独立したプラットフォームへと生まれ変わり、同時にライブ配信を行うライバーの募集プランも発表された。

淘宝(タオバオ)や天猫(Tmall)のネットショップやライバーは、「新たなチャンスが到来した」とその胸に期待を高めている。
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アプリとして独立させる際、ライブ配信を視聴しながらユーザーがネットショッピングをよりスムーズに行えるよう、UX(ユーザー使用体験)を最適化したという。

ライブ配信リンクのサムネイル表示が従来の1列表示から2列表示へ変更された。1列から2列に変わったことで、より多くのライブ配信情報がユーザーの目に触れるようになる。トップページには、5つのライブリンクが表示され、下へスライドすると「精選」、「春節」、「美食」、「コーディネイト」など、12の小カテゴリーから視聴したいライブを選べるようになっている。
また注目すべきは、ライブ配信の視聴から商品購入に至るユーザー動線の最適化だ。視聴画面をタップすれば、そのまま商品をカートに追加・購入することが可能、また商品詳細ページでもライブ配信の視聴が可能など、様々なUXが改善されている。

また全て「淘宝直播」のアプリ内で完結するため、「TikTok(抖音・ドウイン)」での動画視聴でよく見られる淘宝へのリンクのように、商品購入の際に淘宝へ遷移することなく一つのアプリ内で完結されるため、このUXもユーザーにとって快適であろう。
購入画面でも引き続きライブ視聴を楽しめる(右下はライブ...

購入画面でも引き続きライブ視聴を楽しめる(右下はライブ配信動画)

『淘宝直播』は今後3年間で5000億元(約8兆円)の流通総額を生み出す

「淘宝直播」アプリの利用登録にあたっては、一定条件をクリアしなければならない。ネットショップの出店者(商品販売者)、ライバー(ライブ配信者)、ライブ配信会社、コンテンツ制作会社といった同プラットフォームを利用するそれぞれの属性に対し、個別に利用条件を設定している。

同じ出店者という括りでも、天猫(Tmall)と淘宝(タオバオ)では条件が異なる。例えば、天猫の出店者の申請条件は、「微淘(淘宝内のタイムライン機能、プロモーションツールとして使われている)のアカウントに対して一定レベルの基準が設けられたり、淘宝の出店者に対しては、信用レベルが1ダイヤモンド以上、商品カテゴリーや売上数、売上額に対する要求もある。
利用申請者の属性ごとに異なる利用条件

利用申請者の属性ごとに異なる利用条件

「淘宝直播」アプリは、ライブ配信に取り組みたいネットショップの出店者、ライバー、そしてライブ配信やコンテンツ制作を手掛ける企業などにとっては、新たなチャンスだ。淘宝内でのトラフィック獲得は悩ましい課題である現状で、同アプリを通じ、フォロワー数や知名度の異なるライバーたちが、自身のネットショップへとトラフィックをもたらしてくれる。
また、ライバーにとっても大きなチャンスだ。「淘宝直播」の責任者である“趙圓圓”氏は、これまでの「淘宝直播」と今回リリースした「淘宝直播」の単独アプリでは、ユーザーの行動ロジックが異なると言う。前者は淘宝アプリ内なので「好きな商品を探す」という動機付けであるのに対し、後者は「好きな人を探す」という行動ロジックとなる。

同アプリには、知名度の低い新人ライバーから中堅クラス、人気を誇るトップクラスのライバーへと、ライバーが成長してゆける体系がある。人気ライバーになると、「視聴者たちは、まず彼らを求め、彼らの紹介する商品を購入する」という販売ロジックになる。トップライバーはまだ少数ではあるものの、ライバーたちは自身の成長に伴い実益を得られるとのことだ。
アリババは早い段階でライブ配信の価値を認識していた。2018年、淘宝の総裁である“蒋凡”氏は、「ライブ配信は年間1000億元(約1兆6000億円)の流通総額を実現した。単なるEコマースのツールではなく、未来のビジネスモデルの主流となる」と述べている。淘宝コンテンツ・エコシステム総監の“聞仲”氏もまた、「ライブ配信の価値の上昇につれ、『淘宝直播』は今後3年間で5000億元(約8兆円)の流通総額を生み出すだろう」との見解を示している。
同アプリはライブコマースというプラットフォームを通じ、商品販売者、ライブ配信者、コンテンツ制作者を繋ぎ、Eコマースの新しいエコシステムを構築した。アリババがプロモーションのエコシステムに重点を置いた今、その傘下のネットショップに新たな道が切り拓かれたのだ。

コンテンツコマースに本腰を入れたアリババは驚異?

「ライブコマース業界には、完全かつ独立したアプリが存在しなかった」と“趙圓圓”氏は言う。「Eコマースのプラットフォームにライブ配信機能を導入するか、もしくは動画配信アプリのライブ配信機能を使って、ライバーがライブ中に商品を販売するかで、『淘宝直播』のようなライブコマース専用アプリはなかった。様々なプラットフォームが交錯する中、全く新しいライブ配信のエコシステムを確立したと自負している」。
アリババは目下、ベンチャー企業への戦略投資も絡めながら、コンテンツコマースに大きな成果を収めている。「微博(Weibo)」「小紅書(RED)」「ビリビリ(bilibili/哔哩哔哩)」へ投資し、グループ傘下のニュースサイト「淘宝頭条」に資金投入も積極的に行い、コンテンツ配信やコミュニティを形成した。そして「淘宝直播」アプリはそのアリババのコンテンツコマースを明らかに一歩前進させたのだ。
一方「TikTok(抖音、ドウイン)」や「快手(Kuaishou、クァイショウ)」といったショート動画アプリは、すでにコンテンツコマースのプラットフォームとして無視できない存在であり、アリババとの全面競争になるのではと話題になっている。今後の動向から目が離せない。

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