2019年6月14日 更新

【記事コラム】男性KOL・タレントの起用で中国コスメ市場へ攻め込むその勝算とは?

コスメに詳しい男性美容系KOL(インフルエンサー)が増え、メイクやスキンケアの知識や経験も女性KOLに劣らず、多くのフォロワーを獲得しており、口紅王子「李佳琦(Austin)」の登場が美容系男性KOLのターニングポイントとも言われています。コスメブランドの中国マーケティングで、男性KOLやタレントがどの様に起用されているのか、ご紹介いたします。

男性攻占美妆市场
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ルージュをプロモーションする男性タレント、男性美容KOL

ルージュをプロモーションする男性タレント、男性美容KOL

口紅王子“李佳琦(Austin)”の登場が美容系男性KOLのターニングポイント?

美容系KOL(インフルエンサー)は、YouTubeやInstagramなどのSNSアプリが発祥だ。中国国内でも、ソーシャルメディアの成長に伴い、中国人美容系KOL(インフルエンサー)が誕生し、「微博(Weibo)」の全盛期に知名度を築き上げた。その影響力は芸能人に肩を並べるほどだが、そのほとんどが女性であった。

しかし、転機は2016年に訪れる。米コスメブランド「カバーガール」が初めて男性をキャンペーンモデルに起用し、この動画がYouTubeで火が付いた。ちょうどこの時期、中国ではショート動画ブームの真っ最中で、トップKOL(インフルエンサー)“艾克里里(アイクリリ)”のマーカーペンによるメイクやおふざけ的なメイクがエンタメとして人気を得ていた。本来のメイクとは性質が異なるものの、彼らは中国で早期に登場した美容系KOL(インフルエンサー)と言える。
マーカーペンでメイクするトップKOL”艾克里里(アイク...

マーカーペンでメイクするトップKOL”艾克里里(アイクリリ)”

ショート動画ブームやコスメ系MCN(マルチチャンネルネットワーク)の登場を背景とし、2017年、2018年になると、男性の美容系KOL(インフルエンサー)が台頭し始めた。特に、“千戸長生(Benny董子初)”を始めとする人気の男性美容系KOL(インフルエンサー)の多くが、動画共有サイト「哔哩哔哩(bilibili、ビリビリ動画)」からスタートしている。

コスメ批評やメイク法などをメインとした彼らのコンテンツはどれも大差なかった。現実の生活の中でメイクをする大多数は女性だ。しかし、彼らは男性としてメイクを扱い、中には女性メイクを自身に施して紹介するKOL(インフルエンサー)もいたが、男性美容系KOL(インフルエンサー)全体としては、その存在を確立できず、「Tik Tok(抖音、ドウイン)」でもフォロワーを集められずにいた。

そんな状況の下、男性美容家“李佳琦(Austin)”がその局面を打破したのだ。
人気の男性美容系KOLリスト

人気の男性美容系KOLリスト

“口紅王子”の異名をとる“李佳琦(Austin)は、ライブコマースアプリ「淘宝直播(タオバオライブ)」の人気ライバーTOP10 に入り、また「Tik Tok(抖音、ドウイン)」のフォロワー数は1,700万人超、配信ごとに100万近くの“いいね”を獲得する、今大注目のKOL(インフルエンサー)だ。

1回のライブ配信で2,000万元を売り上げる手腕を持つ。自身の唇に次々とルージュを塗り、「Oh my god!」、「Amazing!」と絶賛、彼が「これを買おう!」と魔法の呪文を唱えた瞬間、そのルージュは飛ぶように売れる。最近では彼の「Tik Tok(抖音、ドウイン)」動画は、ルージュを購入する際のバイブルにもなっている。

また、昨年の「双11(ダブルイレブン)」では、アリババのジャック・マーとのルージュ販売競争で、32万本、6,700万元を売り上げて勝利。彼は名実ともに、ショート動画界のスター美容系KOL(インフルエンサー)となった。彼の登場が、男性美容系KOL(インフルエンサー)のターニングポイントとなるかもしれない。 
大人気男性美容系KOLの”口紅王子”こと”李佳琦(Au...

大人気男性美容系KOLの”口紅王子”こと”李佳琦(Austin)”

コスメブランドによる男性タレントの争奪戦

ルージュと言えば、日本でも1996年、「カネボウ(Kanebo)」がルージュの広告に、アイドルグループ元“SMAP”の “木村拓哉”を起用している。当時、化粧品業界では年間50万本売れれば好調と言われていた中、2か月で300万本の売上という大記録を打ち出した。

中国国内では2015年、フランスの「ゲラン(GUERLAIN)」がルージュ「キスキス」の広告に、映画やドラマで大活躍の人気俳優“楊洋(ヤン・ヤン)”を起用。顔にキスマークを付けたポスターが発表された途端に売切れ続出、No.344は「楊洋カラー」と言われたほどだ。のちに、彼は「ゲラン(GUERLAIN)」のイメージキャラクターとして契約し、「ゲラン(GUERLAIN)」にとっては、初の男性イメージキャラクター、初の中国人の起用となった。

これを契機に、アメリカの「エスティ―ローダー(Estée Lauder)」、「エリザベスアーデン(Elizabeth Arden)」、フランスの「ランコム(LANCOME)」、「ジバンシー(GIVENCHY)」、カナダの「M・A・C」といったコスメブランドが次々とルージュ広告に中国男性タレントを起用した。
人気俳優“楊洋(ヤン・ヤン)”の「ゲラン(GUERLA...

人気俳優“楊洋(ヤン・ヤン)”の「ゲラン(GUERLAIN)」のルージュ広告

中国男性タレントのルージュ広告への起用リスト

中国男性タレントのルージュ広告への起用リスト

スキンケア商品、メーキャップ商品、香水に至るまで、コスメブランドのプロモーションに男性タレントが起用される流れが出来た。それまでにも、フランスの「ロレアル(LOREAL)」がスキンケア商品の広告に中国男性タレントを起用するなど、男性タレントがコスメのイメージキャラクターに起用されたことはあるが、それはあくまで男性用のメンズコスメに限られていた。
2015年、中国男性タレントとイメージキャラクター契約を結んだレディースコスメブランドは、アメリカの「メイビリン(MAYBELLINE)」や「SK-Ⅱ」などを含む6ブランド。その数は年々増加し、2016年には9ブランド、2017年には13ブランドに増え、2018年には44ブランドが53名の中国男性タレントと契約をした。

今年もすでに、海外ブランドでは「メイビリン(MAYBELLINE)」、「ロレアル(LOREAL)」、「ジバンシー(GIVENCHY)」、「シュウ ウエムラ」、そして中国大手ブランドでは「珀莱雅(PROYA)」、「羽西(Yue Sai)」といった6ブランドが、中国の人気男性タレントや有名アーティストとの契約を公式に発表しており、この数字は増加の一途をたどるだろう。
コスメブランドの中国男性タレントとのイメージキャラクタ...

コスメブランドの中国男性タレントとのイメージキャラクター契約数(2014~2019年)

「ジバンシー(GIVENCHY)」のイメージキャラクタ...

「ジバンシー(GIVENCHY)」のイメージキャラクター“易烊千玺 (イー・ヤンチェンシー)”

「メイビリン(MAYBELLINE)」のイメージキャラ...

「メイビリン(MAYBELLINE)」のイメージキャラクター”白宇(バイ・ユー)”

「ランコム(LANCOME)」のイメージキャラクター“...

「ランコム(LANCOME)」のイメージキャラクター“王俊凱(ワン・ジュンカイ)”

ファン心理を利用した経済効果を狙うコスメブランドの戦略

美容系KOL(インフルエンサー)にしろ、男性タレントにしろ、彼らがコスメブランドから注目される理由は、彼らのファンに鍵がある。彼らは自身のファンへ消費力の原動力を与え、ファンをマネタイズすることでブランドへ利益をもたらすからだ。彼らにより、男性のメイクが普及し、男性のコスメ購入の助長に貢献している側面もあるが、しかし、核心はそうではない。コスメの消費者は依然として女性が主流であり、彼女たちを掌握することが肝心なのだ。彼女たちにコスメをお勧めするのが、人気のイケメンタレントやユーモラスな男性KOL(インフルエンサー)であれば、その吸引力は最高の力を発揮する。
“王俊凱(ワン・ジュンカイ)”のブログに寄せられるファ...

“王俊凱(ワン・ジュンカイ)”のブログに寄せられるファンの購入履歴キャプチャ

さらに重視すべきことは、好きなアイドルのプロモーションする商品の爆買いは、ファンの大切な応援方法のひとつだ。アイドルグループ“TFBOYS”の“王俊凱(ワン・ジュンカイ)”や歌手の“華晨宇(ホァ・チャンユー)”のブログには、ファンからたびたび、彼らのプロモーションする商品を購入したと、商品購入画面のキャプチャが寄せられる。ファン経済を利用するというなら、近い将来、メンズコスメブランドが人気女性タレントを起用する日も来るのではないだろうか。


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