2019年7月3日 更新

【記事コラム】中国Eコマース戦局!EC戦国時代を戦う各社戦略をポジショニング理論で徹底分析

2大巨頭の“アリババ”と“京東”、台頭する“拼多多”、独自戦略で生き残る“小紅書”、“雲集”、“網易”。アル・ライズのポジショニング理論によると、市場参入戦略は“攻撃戦”、“防御戦”、“フランキング戦”、“ゲリラ戦”の4つに分類されます。年々と競争が激化する中国EC業界、各プラットフォームのポジショニング戦略からその特徴を分析します。

中国电商战局:阿里、京东的激烈攻防与拼多多、小红书们的“侧翼+游击”战争
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1.二大巨頭“アリババ”と“京東(JD.COM)”の攻防戦

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中国EC業界の王者と言えば、「淘宝(タオバオ)」や「天猫(Tmall)」を運営するアリババグループだ。「淘宝」はC2C領域、「天猫」はB2C領域で常に先頭を走り、この2大プラットフォームだけで中国ネット通販市場の70%のシェアを占める。アリババグループの2018年度流通総額(GMV)は約5兆7,000億元(96兆9,000億円)を見込んでおり、中国市場8兆元(136兆円)の約7割に及ぶ。

絶大な存在感で他を圧倒するアリババグループだが、早期参入メリットはすでにピークに達している。2018年W11(ダブルイレブン)の「天猫」のGMVは2,135億元(3兆6,295億円)で、2017年の1,682億元(2兆8,594億円)から27%増加。一見好調のように思えるが、天猫がW11イベントを開催して以来、初めて増加率が30%を下回った。
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そんな中、着々とアリババグループを追い上げる中国EC市場のもう一つの覇者が「京東(JD.COM)」だ。

2018年W11では、流通総額が1,598億元(2兆7,166億円)を記録し、2017年度の天猫のW11流通総額まで僅差に詰め寄った。2018年度の推定流通総額は1兆7,000億元(28兆9,000億円)で、中国ネット通販市場全体の約20%を占める予定だ。

2018年1月11日、京東グループは“消費財”、“デジタル娯楽”、“ファッション・生活”の3大事業グループの総裁人事を発表し、王笑松氏、闫小兵氏、胡胜利氏がそれぞれ就任した。彼らは京東の核心領域である家電や携帯電話等の電子機器業務を率いた精鋭たちで、伝統的にアリババの優勢領域である消費財やファッション・生活領域で勢力の巻き返しを図る模様だ。

「京東」の追い上げに対してアリババも警戒を強めており、2015年にアリババは家電領域に強い「蘇寧易購」の株式を19.99%取得し、天猫サイトに蘇寧旗艦店を出店。業界を牽引するリーディングカンパニーは“攻撃”と“防御”で正面対決し、両社の熾烈な睨み合いが続いている。

2.“拼多多(Pinduoduo)”のフランキング戦略

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“フランキング(Flanking)”は競争の少ないエリアから攻め込み、正面対決のリスクを避ける戦略。アリババと京東が激烈な正面対決を繰り広げる中、両社がカバーしていない領域で勢力を伸ばしているのが「拼多多(Pinduoduo)」だ。

2018年7月26日、創業から3年にも満たない「拼多多」は米国ナスダック市場に上場し、時価同額は330憶ドルを超えた。

「拼多多」が急速な成長を成し遂げた核心要素は2つあり、1つは新しいマーケティングモデル“拼団”を活用した点で、インセンティブ付与とソーシャルメディアのネットワーク効果を絡めた手法で多くの新規顧客を獲得した。もう1つは、アリババや京東がリーチしていない農村や地方部のユーザーをメインターゲットに定めた点にある。

「拼多多」の2018年度流通総額は4,000億元(6兆8,000億円)となる見込みで、中国ネット通販市場のシェア5%を獲得し、3,000億元(5兆1,000億円)の「蘇寧易購」を抜いて業界トップ3に躍り出る。

3.“雲集(Yunji)”、“小紅書(RED)”、“網易厳選(Yanxuan)”のゲリラ戦略

“ゲリラ戦略”は新規参入業者がよく用いる手法で、大手が注視していないニッチ市場で独自の地位を確立し、市場競争で優位に立つ戦略。ニッチ市場で足掛かりをつくった後、“フランキング戦略”で主戦場に乗り出す機会を窺うこともでき、「京東」や「拼多多」も立ち上げ時はそれぞれ家電等の電子機器や、果物等の農作物領域から事業を拡大してきた。流通総額は1,000億元に満たないが、独自の特色を活かし“ゲリラ戦略”で健闘しているのが「雲集(Yunji)」、「小紅書(RED)」、「網易厳選(Yanxuan)」などのプラットフォームだ。
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「雲集(Yunji)」とは?

「雲集(Yunji)」は2015年5月に杭州で創業し、2018年にブレイク。「代購」に代表されるソーシャルバイヤー向けのサプライヤープラットフォームとして、ユーザー数を増やしてきた。

「雲集」のビジネスモデルは中国では“S2B2C(供給者→事業者→消費者)”と呼ばれている。このモデルの核心は、仕入れ、販売チャネル、マーケティング、顧客サービス、金融決済、物流、データ管理、情報システムなどの運営を販売店(ソーシャルバイヤー)が自前で行う必要がなく、雲集側で統一して管理するところにある。

雲集が提供する商品に対する意見(レビューや動画投稿)を集め、ソーシャルバイヤーが微信(Wechat)や微博(weibo)で宣伝及び拡散。ファンユーザーやロイヤリティの高い顧客を販売サイトへ誘導する。

しかし、改訂版「電商法」の施行に合わせ、「雲集」のソーシャルバイヤー向けサプライヤープラットフォームは、これから大きな方針転換を迫られることになりそうだ。
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「小紅書(RED)」とは?

小紅書(RED)は、「中国のインスタグラム」とも言われ、動画・写真・日記など自分のライフスタイルを記録して共有でき、またアプリ内から商品を購入することもできる。UI設計がおしゃれな女子の心を掴んだのもあるが、アプリをリリースした当初からニッチ市場で足掛かりを作る「ゲリラ戦略」があった。

海外の製品を購入しようとする中国越境ECユーザーにとって、ネックとなっていたのは、商品説明や詳細が他国語で表記されていること、また商品情報が圧倒的に足りなく、自分に合った商品は一体何なのかわからないユーザーが数多くいた。

そこに目をつけた小紅書は、旅行を通じた動画・写真・日記などのSNS・クチコミコミュニティとして支持を集め、実際に商品を利用したユーザーの説明や感想が中国語で書き込まれていく。また同時にサプライチェーンも構築し、直接商品も購入できる一大ECプラットフォームへと成長していった。

SNSでユーザーが自ら発信する情報やコンテンツが“90後”、“95後”の若者から大きな支持を得ている。2018年10月時点での「小紅書」ユーザー数は1.5憶人を超え、“SNS Eコマース”の代名詞となっている。
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「網易厳選(Yanxuan)」とは?

「網易厳選(Yanxuan)」は、中国ポータルサイト大手の網易(ネットイース)の越境EC事業「網易考拉(Kaola)」提供のODM(Original design manufacturer)ブランドである。網易厳選では、グッチやバーバリー、UGGなどの国際的ブランドを支える製造業者らが、格安の製品を提供していることを売りとしている。

ユーザーへの打ち出し方がまさに「ゲリラ戦略」で、サイト上で“製造元は「UGGの製造を手がける業者」” 等と、あまりにも直接的な表現で、商品の「品質」と「格安」を打ち出し、物議を醸している。

2018年には「網易考拉」だけでなく、「天猫」や「拼多多」など、他社の大手ECプラットフォームにも旗艦店を開設、近日杭州に約300㎡のオフライン店舗も出店する予定で、販路とユーザー開拓に取り組んでいる。その結果、「網易厳選」の2018年の売上規模は200億元(約3,200億円)に迫る見通しだ。

4.ユーザーの利用シーンに合った環境整備が、未来のEC雌雄を決定する

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約14億人の人口を抱える中国の巨大市場は、ユーザー属性の異なる多くのターゲット群で構成されている。

14億人のうち、現在少なくとも8億人は月収1万元(約17万円)以下の中低所得層に属しており、住宅、車、医療、教育などに多くの費用がつぎ込まれ、残り少ない可処分所得を日常の生活費として消費する。これら大多数のボリュームゾーンは価格に対して非常に敏感である一方、商品のブランドや物流速度に対してはそれほど敏感ではなく、コスパが最も重視される。しかし、中国経済の発展に伴い人々の消費能力が高まってくると、より多くの消費者は時間を重視して商品価格へのこだわりは小さくなり、ブランドや品質への要求が高くなる。

市場競争では、必ずしも最も良い商品を提供する企業が成功するわけではなく、最も効率的に商品の利用環境やサービス面でユーザーの満足を引き出した企業が成功する。市場は公平に開かれており、Eコマース運営企業には変化する市場やユーザーのニーズに対応する総合力が問われている。

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