2019年7月3日 更新

【記事コラム】「618」商戦開始!「天猫(Tmall)」×「京東(JD.com)」の2者択一に、「拼多多(pingduoduo)」が風穴。

6月18日に開催される“618”の大セールは、“W11(ダブルイレブン)"と並んでECサイトの年間売上高を左右するビッグイベントとなっています。「京東(JD.com)」と「天猫(Tmall)」の2強が今年特に意識するは、ソーシャルコマースサイトの「拼多多(pingduoduo)」です。各プラットフォームの“618”戦略をご紹介します。

618成全网年中大促,看神仙打架“猫拼狗”
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「618」商戦とは?

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2009年11月11日に「天猫(Tmall)」が第1回“W11(ダブルイレブン)”を開催して以来、中国ECにおける大型セール合戦は既に11年目に突入した。ECプラットフォームはユーザーのニーズに応えながら売上を伸ばし、ネット通販業界全体が総力をあげて取り組むビッグ商戦となっている。

“W11”と並びネット通販サイトのビッグセールとして定着してきたのが、毎年6月18日に開催されれる“618”セールである。“618”セールは「京東(JD.com)」が自社の創業日に開催する大型セールであるが、現在はそれだけに留まらず“上半期W11”の様相を呈している。

昨年11月、「京東」は““京东全球好物节”で天猫の“W11”に対抗するビッグセールを実施。売上は1598億元で、前年比25.7%増となった。これに対し「天猫」は“618”に反撃を仕掛け、「天猫」と「京東」はそれぞれが耕した販促土壌で対決姿勢を強めている。

“猫”(天猫)対“犬”(京東)の競争が熾烈化するなか、昨年大きく勢力を拡大した「拼多多(pingduoduo)」にも注目が集まる。今年の“618”はネット業界全体での大激戦が予想され、各社の攻勢や力の入れ具合は“W11”に匹敵すると言われている。

今年の“618”戦略について、「京東」、「天猫」、「拼多多」の戦略をご紹介します。

“618”は「京東(JD.com)」の主戦場。“脱自営”、“C2M”、“SNS対応”で応戦!

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「京東(JD.com)」にとって、“618”は最も重要な主戦場だ。2014年の米国ナスダック市場上場後、資源の多くを“618”戦略に集中し、“京東=618”のイメージを消費者に定着させた。今年の“618”は「京東」誕生15年以来、最も多くの資金を投入し、注目度が高い年となる。

京東集団副総裁の韓瑞氏は、今年の“618”戦略について「新規ユーザー獲得が第一目標」と語った。EC業界は市場が安定し飽和状態にあると言われていたが、この2年で「拼多多」がニッチ市場から大きく切り込み急速に勢力を伸ばした。それに対し、即座に反応した「天猫」は昨年大きくユーザー数を増やし、たとえECが成熟産業になったとしても、依然大きな市場と未開の攻略法があることを知らしめた。昨年から「京東」は多くの時間を内部調整に費やし、“618”商戦で新旧ライバルの急速な拡大スピードに追いつこうとしている。

近日、京東零售集団轮值CEOの徐雷氏が今年の“618”戦略とオペレーションについて、「小売販売の“全面開放戦略”を行い、“自営”商品の販売のみに固執しない」と発表した。元々「京東」は、正規品の取り扱いや自前の物流網などの “自営”業務でユーザーの信頼を獲得し、成長してきた。 “自営”は厳格な品質コントールを保障すると同時に、運用コストの高さと純利益の低さも意味する。「京東」の利益率は15%程度であるが、自営業務に限っては利益率が約10%であり、アリババの営業純利益43%と比べると大きな差がある。「京東」の2017年第3四半期決算報告では、利益率上昇の理由として、第三者のGMV(ネット取引額)の伸びが指摘されており、“自営”へのこだわりと経営バランスの見極めが求められている。

“脱自営”以外に、今年の“618“で「京東」が重点を置くのは“C2M(Customer-to-Manufacturer)”だ。“C2M”はソーシャルメディアを用いたECに類似する概念で、この2年でEC業界注目のトピックとなっている。ユーザー直接製造(用户直连制造)とも呼ばれ、消費者が直接製造者と繋がり、設計・仕入れ・生産・発送などのやり取りを、小ロットで、短時間に行うことができる。農産品や工業製品の部品について「拼多多」が早くから大規模に行っている“新品牌計画”が代表例で、製造ブランドは「拼多多」のプラットフォームを通じてPV数を増やしている。「京東」の徐雷CEOは「3年後にはC2M商品と自社新商品で累計1兆億元規模の売上を期待している。ビッグデータ活用、サプライチェーン、オフライン対応、スマート化支援など多方面から出店店舗をサポートする計画だ」と語った。
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他にも、「京東」は「微信(Wechat)」を運営する「テンセント(腾讯)」と“3年戦略提携”を締結し、SNSのPV数増を図る。また「抖音(TikTok)」、「快手(Kuaishou)」、「微博(Weibo)」とも提携しており、ソーシャルメディアへの対応も欠かせない戦略となっている。

「天猫(Tmall)」の“618”戦略:目標はライブ通販売上100億元

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2019年5月、アリババマーケティング事業部総経理は「今年の“天猫618”は、アリババ集団史上最大のパワーを割き、“W11”に匹敵する規模で行う」と表明した。新ブランド1500店余りの出店を予定し、1000億元のインセンティブを投入するという。インセンティブ戦略を通じて「天猫(Tmall)」は、“618”期間で累計3億の新規ユーザーを獲得する計画だ。

また、「淘宝(Taobao)」はここ数年でライブ通販を強化しており、2018年の出店件数は数倍に増加。ライブ中継を通じて、コスメ界のKOL(インフルエンサー)“李佳琦”など人気司会者を輩出している。今年の“天猫618”でもライブ配信を予定しており、100億元以上の売上を見込んでいる。

他にも、「京東」の“C2M”に類似した戦略で、サプライチェーンの上流に食い込む計画だ。アリババ系列のプラットフォーム「淘宝天天特卖」や「阿里雲」、物流会社「菜鸟物流」を通じて、各工場や中小メーカーへ改善案を提案・実施、中小メーカーの生産ラインの完全データ化、物流管理による工場の在庫圧縮を提案する。このプランは業界で反響を呼び、今年2月のメディア報道によると、淘宝の“天天工場”には3カ月で2000件余りの申込があったという。“618”における「淘宝天天特卖」の目標は、全国1万カ所の優良工場と提携、10万点のヒット商品の選定、受注件数3億件であるという。
「淘宝天天工場」

「淘宝天天工場」

さらに注目すべきは、今回の“天猫618”の出店に際し、販売店は他の国内ECサイトの販売価格を上回ってはならず、対応できない場合は減点や同イベントでの活動権が取り消しとなる。

「拼多多(pingduoduo)」の“618”戦略:2強からの“防御”にインセンティブ100億元

これまでの「京東」と「天猫」の戦略を見ると、少なからず「拼多多(pingduoduo)」の影響を受けていることが分かるだろう。

5月にQuest Mobileが発表した「下沉市場報告」によると、 “下沉市場(3、4級都市と呼ばれる地方部在住で、ネット消費に潜在力がある消費者層)”で、2019年3月のMAU(monthly active users)が増加したアプリは「抖音(TikTok)」、「快手(Kuaishou)」、「支付宝」、「拼多多」であった。また、ECサイトの代表格である「拼多多」は5880万の下沉市場ユーザーを獲得しており、スマホ版「淘宝(タオバオ)」の2.33倍、フリマサイト「闲魚」の5.57倍であった。
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「京東」や「淘宝」がリーチしていない“下沉市場”で多くのシェアを獲得し、“C2M”で先行している「拼多多」は、ビッグ2からの“防御”が今回の“618”における重点テーマとなる。「拼多多」は100億元の現金インセンティブを準備し、“今日必买(本日限定販売)”、“每日专场(デイリー特選)”、“お薦めブランド(竞选大牌)”などのカテゴリーに投下して市場最低価格を基本とする戦略で対抗する。

「拼多多」創業者の达达氏はメディアに対し、「「拼多多」は“100億インセンティブ”チームを24時間体制で稼働する。オンライン・オフラインの全ての価格に対してリアルタイムに更新し、ユーザーに喜んで頂ける全国最安値を提供する」と語った。

「京東」と「天猫」の“2者択一”に、「拼多多」が新たな風を吹き込み“N者択一”となった2019年の“618”商戦。今年の業績を大きく左右する“618”商戦の行方と、各プラットフォームの新たな展開に注目したい。

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