2019年2月20日 更新

【記事コラム】中国の芸能人夫婦が「微商」で手掛ける化粧品ブランド、納税額は約21億元(336億円)の見込み

中国の有名芸能人夫婦が「微商」で手掛ける化粧品ブランド「TST」、2018年度の上海青海区高額納税者ランキングでトップ100入りし、納税額は約21億元(336億円)に達したことが話題となっています。ソーシャルメディアを利用した『個人』を軸にした代理店体制、「新電商法」への対応と合わせてご紹介します。

明星夫妇做微商,纳税21亿成上海区百强:林志玲代言,徐峥夫人持股
元記事はこちら↑
化粧品ブランド「TST」を「微商」で展開する林瑞阳(夫...

化粧品ブランド「TST」を「微商」で展開する林瑞阳(夫)と張庭(妻)

芸能人が手掛ける「微商」、運営パートナーには有名人が多く名を連ねる

2018年度の上海市青浦区「納税最高賞」を受賞した林瑞陽

2018年度の上海市青浦区「納税最高賞」を受賞した林瑞陽

中国台湾の人気女優・張庭とその夫で俳優の林端陽の「微商(WeChat等のソーシャルメディアを活用した通信販売全般を意味する。マルチ商法まがいの悪徳商法も存在し、一般のソーシャルバイヤーによる商品販売との線引きが曖昧)」による独自ブランドの化粧品販売のビジネスが好調のようだ。

上海市青浦区の発表によると、張庭夫妻が経営する上海達尔威貿易公司が2018年度の同区優良企業トップ100にランクインした。同社は区内の最高納税者となる見込みで、具体的な納税金額はまだ確定していないが、およそ21億元(336億円)となる見遠しだ。

上海達尔威は2013年6月に設立され、法人代表及び董事長は林吉栄(林瑞陽の本名)が務める。資本金は2億2370万元(約36億円)、登記上は卸売業となっており、張庭夫妻が展開する自社ブランド「TST / 庭秘密 / Tin'Secret 」など多くの関連商標が登録されている。

現在、同社の株式は上海にある3つの法人がそれぞれ36.45%、33.01%、13.07%を所有し、残りはその他企業及び個人の出資により構成されている。その内の1社は、林瑞陽と個人株主の匡桂媛氏が50%ずつ株式を保有。さらに別の出資会社でも、林瑞陽が法定代理人を務めている。

また、司会者で歌手の吴宗宪、人気女優の林志玲、歌手で作曲家の曹格ら多数の芸能人も同社のパートナーに名を連ね、女優の陶虹は会社の株式も所有している。彼らは広告塔としてソーシャルメディアで情報配信を行い、上海達尔威の化粧品ブランド「TST」のイメージキャラクター等も務める。
PRイベントに出席した林志玲(中)、張庭(左)。林志玲...

PRイベントに出席した林志玲(中)、張庭(左)。林志玲は「TST」のイメージキャラクターも務めている。

「TST」ブランドの信頼性を疑問視する声も

上海達尔威はが自社ブランド「TST」の微商ビジネスをスタートさせたのは2014年。林瑞陽が初めて活性酵母の商品化に成功したと謳い、“活性酵母シリーズ”や“庭色彩口红”などの商品ラインナップで販売を開始した。

しかし、2016年にTSTブランドの活性酵母コスメを使用した消費者が、顔が爛れたと被害を訴えた。被害者の訴えに対し上海達尔威のカスタマーサポートでは正常なデトックス現象だと説明したが、被害を訴えた消費者が病院で受診すると皮膚の炎症トラブルと診断された。

この件に関し、張庭は「微博(Weibo)」に長文を投稿し、「TST」の商品は法的な規格認証を受けたもので、専門的な第三者機関で安全検査を受けていると表明。さらに、人ぞれぞれ肌質は異なるので、化粧品の効果も同じではないと消費者へ釈明した。

2017年以降これまでに、同社傘下の通販アプリ「庭秘密」では70種余りのスキンケア用品及びメイク用品の安全検査結果を発表しており、上記クレーム案件の調査結果及びアレルギー検査結果についても報告されている。

ソーシャルメディアを利用した『個人』を軸にした代理店体制が強み、SNSで商品情報を拡散させてゆく

 (2743)

上記は「TST」ブランド商品の代理販売者を募る広告だ。学生、子育て中の主婦、会社員の副業として、自由時間を使って運営できることをアピールしている。

上海達尔威の代理販売は、店舗を構えることなく、スマホさえあれば代理店になれることが謳われている。また加盟料は必要なく、また在庫を持つ必要もない。自身のWeChatを使って商品情報を拡散していくだけでOKだ。業績に応じて15~30%のインセンティブが支払われる仕組みになっている。

「新電商法」による『微商』の管理強化と今後の展開

 (2723)

2019年1月1日に中国で施行された「電子商務法(通称:電商法)」。名目としてはインターネットビジネスの適正化ですが、中国政府当局の狙いは「ソーシャルバイヤー」規制だと言われている。
「微商」に対する監督も厳格化され、ソーシャルメディアで『個人』の販売代理網を構築した「TST」ブランドの販売にどれだけ影響が出るのか今後に注目が集まる。

電子商務研究センターの特約研究員で弁護士の董毅智氏は、電商法の改定によりソーシャルメディアを通じたグレーゾーンの副業だった「微商」も、明確に課税対象と規定された“ビジネス”と定義されたので、今後はどのように監督するかの運用面が課題になるだろうと語る。

-----------元記事の紹介はここまで--------------


如何でしたでしょうか?

『WeStock』では、150名以上に及ぶ中国KOLの専用ショップを運営しています。商品販売のみならず、KOL(インフルエンサー)の投稿も促し、日本の化粧品・日用品メーカーの中国マーケティングを全面的に支援しています。

お問い合わせは、下記よりお願いします。 お問い合わせページのフォームから送れない場合には、westock@bolome.co.jp までメールをお送りください。
送信

関連する記事 こんな記事も人気です♪

【記事コラム】中国D2Cブランド成功事例~電子タバコ「YOOZ」、ソーシャルメディアの口コミで1日に500万元(約8,000万円)の売上げ達成

【記事コラム】中国D2Cブランド成功事例~電子タバコ「YOOZ」、ソーシャルメディアの口コミで1日に500万元(約8,000万円)の売上げ達成

春節の定番ギフトである煙草の代替品として、“電子タバコ”を贈るのが中国でブームになりつつあります。多くの異業種ニューカマーが参入して話題を集める中国の“電子タバコ”市場で、1日で500万元(約8,000万円)を売り上げた「YOOZ」のマーケティング事例をご紹介します。
【記事コラム】中国Eコマース戦局!EC戦国時代を戦う各社戦略をポジショニング理論で徹底分析

【記事コラム】中国Eコマース戦局!EC戦国時代を戦う各社戦略をポジショニング理論で徹底分析

2大巨頭の“アリババ”と“京東”、台頭する“拼多多”、独自戦略で生き残る“小紅書”、“雲集”、“網易”。アル・ライズのポジショニング理論によると、市場参入戦略は“攻撃戦”、“防御戦”、“フランキング戦”、“ゲリラ戦”の4つに分類されます。年々と競争が激化する中国EC業界、各プラットフォームのポジショニング戦略からその特徴を分析します。
【記事コラム】改訂版「電商法」の施行で大激震、淘汰される“代購”や“微商”などの「ソーシャルバイヤー」達

【記事コラム】改訂版「電商法」の施行で大激震、淘汰される“代購”や“微商”などの「ソーシャルバイヤー」達

“代購”や“微商”などによるソーシャルバイヤーの市場規模は11兆円もあると言われています。2019年1月1日に施行された改訂版「電商法」、その影響はすでに予想を超えて現れており、ソーシャルバイヤーとその顧客たちに大きな波紋を投げかけています。
【記事コラム】中国政府がついに「代購」規制、新たな電子商取引法の施行に伴う影響は・・・?

【記事コラム】中国政府がついに「代購」規制、新たな電子商取引法の施行に伴う影響は・・・?

越境ECなど中国で更なる拡大を続けているネット通販ですが、2019年1月1日に「中華人民共和国電子商務法(電子商取引法)」が施行されます。同法は個人・法人・非法人組織にかかわらず、電子商取引業者に対して登記の義務を定めています。それにより大きな打撃を受ける人たちがいる、その人たちとは・・・?
【記事コラム】微信(WeChat)公式アカウントでフォロワー数1000万人超えの漫画「少女兎」、その爆発的人気の理由に迫る

【記事コラム】微信(WeChat)公式アカウントでフォロワー数1000万人超えの漫画「少女兎」、その爆発的人気の理由に迫る

“心のオアシス”として若い女性達に大人気の「少女兎」。“蛙兄”と“兎姉”の恋愛模様にまつわる日常を漫画で配信する微信(WeChat)の「購読アカウント(訂閲号)」です。フォロワー数はついに1000万人を突破、「人民日報」や「共青団(共産主義青年団)中央」といった共産党系メディアでも幾度となく転載利用されています。この爆発的な人気を獲得しに至るまでの間、3度もアカウント名を改名しました。 “生死を賭けた”という改名の背景には何があったのでしょう?

この記事のキーワード

この記事の担当者

WeStock編集部 WeStock編集部