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「微網紅(ウェイワンホン)」とは?
最近、よく耳にするようになった「微網紅(ウェイワンホン)」。「網紅(ワンホン)」と呼ばれるKOL(インフルエンサー)の中でも、フォロワーが100万人以下のKOLを指す。KOLはフォロワーの多い順に、“超頭部”、“頭部”、“肩部”、“腰部”、“尾部”、“底部”といったランクに分かれおり、「微網紅」と言われるのは、フォロワー数10~100万人の“尾部”、1~10万人の“底部”、そして1万人以下の“素人”である。
「網紅」と「微網紅」ではどのくらいの差があるのだろうか。例えば、ショート動画アプリ「快手(Kuaishou)」で、フォロワー数9万人の“別問王爹”が初めて行ったライブ配信では、視聴者数9157人、取引数2175件、CV率23.75%という結果だった。一方、スーパーKOL・李佳琦(Austion)が淘宝大学タレントアカデミー第21期ライバー班の講義にて実施した“38女王節”のライブ配信では、5時間半のライブで視聴者数18万9300人、取引数2万3000件、CV率12.15%と、その差は歴然としている。
その“別問王爹”だが、今やフォロワー数25万人の“尾部”KOLへと成長し、9月11日に実施した「快手(Kuaishou)」のライブ配信では、取引数5608件、客単価279.79元、CV率 25%という好成績を上げ、同日のライブコマースコスメ部門での売上1位を獲得した。3位のフォロワー数400万人の“腰部”KOLを追い抜いてトップに躍り出たのだ。彼のような「微網紅」と呼ばれるランクの低いKOLが今、業界を変えようとしている。
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フォロワー数と“帯貨能力(販売力)”は必ずしも連動しない
フォロワー数と“帯貨能力(販売力)”は必ずしも連動しているわけではない。むしろ切り離して考えられ始めている。例えば、エンタメ系KOLのフォロワーは数が増えたところで販売にはつながりにくいと言われる。ECの視点からすると、カテゴリーに特化した垂直型の「微網紅」に注目すべきだろう。彼らはフォロワー数こそ多くないものの、高い専門レベルと差別化により、そのカテゴリー内では強い影響力を持ち、フォロワーの購入率も高い。垂直型カテゴリーへ関心を寄せるユーザー数は比較的少ないが、彼らは地道に緩やかにフォロワーを増やしている。
“别問王爹”の後ろ盾でもある微網紅MCN(マルチチャンネルネットワーク)「快馬短視頻」の創始者・王青海は、「『微網紅』のフォロワー数は1日に数十人から数百人程度しか増えないだろう。しかし、彼らに深く共感し、エンゲージメント率が高い」と言う。実際、“別問王爹”のような少ないフォロワー数で高い売上を獲得している「微網紅」の販売例は数多くある。
各プラットフォームのモニタリング結果も「微網紅」の販売力を裏付けている。ショート動画データ分析サービス「飛瓜数据(Feigua)」によると、12月3日の「抖音(ドウイン/Tik Tok) 」EC売上トップ10の1、2、6、8位にランクインしたKOLのフォロワー数はみな10万人未満だ。トップ20ではフォロワー数100万人未満のKOLが11名と半数以上を占めている。16位に至ってはたったの1541人である。
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11月の「抖音(ドウイン/Tik Tok) 」 EC売上にランキング入りした回数を見ると、トップ10のうち、4名がフォロワー数100万人未満のKOLで、中でも9位の“夢楠海鮮”はたったの15.3万人だ。トップ20ではフォロワー数100万人未満は7名、つまり35%が「微網紅」である。
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タオバオ傘下のデータサービス「淘榜単」の最新データによると、11月25日~12月1日のショート動画EC総合売上トップ10にランクインしたKOLのうち6名がフォロワー数100万人未満だ。また、ライブコマース総合売上トップ10にも、フォロワー数100万人未満のライバーがランクインしている。
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注目すべきは、ライブコマースとショート動画のコスメ部門売上トップ10のどちらにも、フォロワー数100万人未満のライバーが8名ランクインしていることだ。また、グルメ部門ではライブ配信とショート動画のトップ10のほとんどが「微網紅」だった。コーディネート部門でもショート動画トップ10の4名、ライブ配信トップ10の1名が「微網紅」だ。
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どんな配信形式であろうと、「微網紅」の販売力はもはや無視できないことが分かる。ましてや、垂直型の「微網紅」ならなおさらだろう。また、フォロワー数10万人以下の「微網紅」は、フォロワーとのコミュニケーションが他のKOLの2倍だとも言う。
今年のダブルイレブン(双11)で、薇娅は27億元超、李佳琦は10億元超、辛巴は20億元超を売り上げた。フォロワー数がわずか数千、数万、数十万の「微網紅」とは別世界の存在だ。しかしながら、「大量のフォロワーを抱えているからマネタイズできるというわけではない。マネタイズに必要なのは、KOLに深く共感し、彼らの勧める商品やサービスの購入へ忠実なフォロワーだ。スーパーKOLにはなれなくても、『微網紅』にはなれるだろう」と王青海は指摘する。
フォロワー数の少ない「微網紅」でも稼げる「微網紅マトリックス」モデル
「快馬短視頻」は「微網紅万人带貨矩陣(微網紅1万人販売マトリックス)」(以下「微網紅マトリックス」という。)と呼ぶビジネスモデルを採用している。ショート動画ECに特化した「微網紅」養成機構を設立し、養成という切り口で「微網紅」を集め、「快馬短視頻」の持つ強力な商品のサプライチェーンとセレクト能力によって彼らをエンパワーするのだ。「微網紅」らはマトリックス式に商品のプロモーションと販売を行い、売上成功報酬(Cost per Sale)を得る仕組みだ。
売上成功報酬は自身のプラットフォームでの売上と「淘宝客」を通じた売上から計算される。「淘宝客」とはタオバオの提供する有料プロモーションツールで、タオバオが提携しているブランドや企業の商品を、「抖音(ドウイン/Tik Tok) 」などのECプラットフォームで販売することで、タオバオからコミッションをもらうシステムだ。
創始者の王青海は、「我々は『微網紅』に欠けているサプライチェーンを提供し、ショート動画のコンテンツやライブ配信のフローの設計方法、成約に導くためのプロセスなどをレクチャーすることで、『微網紅』をインキュベートする。実際に‘别问王爹’などの代表的な『微網紅』アカウントを創出して実績を出している」と言う。
イギリスのコスメブランド「L’SPHERE」のメンズ洗顔料(角質除去ムース)は、「微網紅マトリックス」のマーケティングモデルの成功例の一つだろう。100名以上の「微网红」が「抖音(ドウイン/Tik Tok) 」で一斉にプロモーションを行い、「淘宝客」の商品リンクから販売した売上に応じて売上成功報酬を得る。販売額に応じて報酬額は異なるが、初回の最高額はなんと売上の70%にも達した。目下、「L’SPHERE」の月間の受注数は80万件、取引額は6000万元を突破している。
販売力が弱くて取引数の少ない「微網紅」でも稼げるのが「微網紅マトリックス」モデルだ。またメーカーやブランド企業にとっては、1件当たりは少量の受注でも、まとまれば大型受注となり取引額も大きいというメリットがある。大げさに言うなら、薇娅や李佳琦のみが実現できる1億元超の売上を、1万人を超える「微網紅」らに達成させるというわけだ。
このモデルが普及した場合、李佳琦、薇娅、辛巴のようなスーパーKOLは減少し、彼らとの提携へのハードルは上がるだろう。また、上位ランクのKOLとの提携は、“やる”か“やらない”かの二択だが、「微網紅マトリックス」モデルなら、「微網紅」の一部を選べるのでリスクを分散できる。言い換えれば、中小企業は上位ランクのKOLに高額の費用をつぎ込むだけの体力もなければ、リスクを抱える覚悟もないが、「微網紅」なら失敗してもアカウントを一つ損失する程度で、会社が倒産に追い込まれることもない。
「微網紅」のロングテール効果を狙うマーケティングへ期待が
「微網紅」マーケティングで利益を上げている企業の中には、中小企業のみならず、有名ブランド企業も存在する。中国の老舗スキンケアブランド「稚優泉(CHIOTURE)」のマーケティング手法は、“頭部/肩部/腰部”KOLを使って広範囲にわたって商品を話題にし、垂直型の“尾部/底部”KOL=「微網紅」が商品体験やレビューをアップ、公式アカウントや“素人”がそれを拡散させてマネタイズしている。
「半畝花田(Little Dream Garden)」や「完美日記(Perfect Diary)」といった中国コスメブランド、電動歯ブラシブランド「Usmile」などもまた、 “頭部”+“腰部”+ “尾部(微網紅)”という同じような手法を展開中だ。中国国内にとどまらず、海外でも「ロレアル( L'Oréal)」や「エスティローダー(Estée Lauder)」が同様の手法を採用し、広告出稿の方向性もフォロワー数5万人未満の「微網紅」へと向いている。
ニューメディアサービス「女子刀法(Business of Women)」の創始者・Dorisは、「KOL(Key Opinion Leader)、微網紅、KOC(Key Opinion Consumer:影響力のある消費者)は相互排除の関係ではなく相補の関係にある。KOLが話題を牽引し、微網紅が口コミで賑わせ、KOCが販売する」と総括する。
売上の上位をトップクラスのKOLが占めるのに対し、下位には売上高のそれほど高くない「微網紅」らが長く連なってゆくこととなる。この横に長く伸びてゆくロングテールの売上は、トップKOLの縦に伸びた売上に匹敵するかもしれないと期待が募り、「微網紅マトリックス」モデルを試してみたいと考えるブランド企業は少なくない。しかし、一方では、「微網紅」マーケティング、特に“尾部”KOLや“素人”の販売力へ疑念を抱く企業がいるのも確かだ。
「微網紅マトリックス」モデルの3つのポイント
「微網紅マトリックス」モデルには、トップ「微網紅」、サプライチェーン、プラットフォームという3つのポイントがある。
1、トップクラスの「微網紅」の果たす役割
「トップクラスの『微網紅』は、“店の間口”の役割を果たす」と王青海は言う。彼らはサプライチェーンやプラットフォームのリソースを獲得すると同時に、「微網紅」マーケティングの実現の可能性を検証することで、より多くの「微網紅」を誘引して「微網紅」マーケティングに参入させている。
“頭部” KOLも同じことをしているという。彼らの所有するサプライチェーンと商品セレクト能力を“尾部”KOLへ開放し、彼らをインキュベートしているのだ。例えば、「快手(Kuaishou)」では、トップライバーはその下に位置するライバーや「微網紅」のためにトラフィックを呼び込み、サプライチェーンや商品セレクトチームを彼らと共用している。これにより、トップライバーは自身が転落するリスクを大幅に下げ、彼のリソースもより存分に利用されることとなる。
2、サプライチェーンと商品セレクト
「このモデルで売れ行きが良いのは2種類の商品。一つはブランド商品、例えば有名ブランドの見切り品。もう一つは自社ブランドなど、アドバンテージを持つ商品だ」と王青海は言う。
KOLマーケティングで売上を上げるにはどんな商品でもいいというわけではない。相応しい商品をセレクトする必要がある。「快馬短視頻」をはじめとする「微網紅」マーケティングのMCNは、専門の商品セレクトチームを設けて商品をスクリーニングしている。「微網紅」へ開放する商品は、トップクラスの「微網紅」がプロモーションしたことがあり、かつ値下げ済みの商品だ。
「微網紅」はそれぞれスタイルが異なり、商品セレクトの標準化は必然的に不可能である。「快馬短視頻」のソリューションは、養成機構に集まった「微網紅」をスタイル別に“分校”と呼ばれるグループに区分し、各分校は商品を1~2カテゴリーに絞り、「微網紅」はその中から自分の状況に基づいて商品を二次セレクトをするのだ。
3、プラットフォーム
「快馬短視頻」の養成機構は「抖音(ドウイン、Tik Tok)」と「快手(Kuaishou)」の2つのショート動画プラットフォームに特化しているが、「微網紅マトリックス」モデルはほかのプラットフォームでも通用するという。実際、「微網紅」は複数のプラットフォームで収入を得たいと願い、プラットフォーム側も「微網紅」の活躍で特定のKOLばかりが人気を占める局面を打破したいと望んでいる。
「タオバオライブ(淘宝直播)」の責任者・趙圓圓は、「成長期にあるライバーをサポートするライバー特訓クラスを開設た。新人ライバーはトラフィックのサポートを45日間受けられる」と話す。「抖音(ドウイン、Tik Tok)」はEC機能の開設に必要な最低フォロワー数を大幅に下げた。以前は8000人以上だったが、今はフォロワー0人でも申請が可能になった。「快手(Kuaishou)」は今年、「垂直型MCNとユーザーに向けて100億元分のトラフィックを開放し、ロングテールとなるようなECコンテンツの創作者を10万人創出する」と発表した。
プラットフォームのECへのハードルは下がり、サポートサービスも増えてきた。こうしたプラットフォームのKOLへの注力は、新たなスーパーKOLの誕生を促進すると同時に、下位ランクのKOL=「微網紅」の成長も加速させているのだ。
-----------元記事の紹介はここまで--------------
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