2019年7月3日 更新

【記事コラム】中国政府がついに「代購」規制、新たな電子商取引法の施行に伴う影響は・・・?

越境ECなど中国で更なる拡大を続けているネット通販ですが、2019年1月1日に「中華人民共和国電子商務法(電子商取引法)」が施行されます。同法は個人・法人・非法人組織にかかわらず、電子商取引業者に対して登記の義務を定めています。それにより大きな打撃を受ける人たちがいる、その人たちとは・・・?

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電子商取引法で中国政府がついに「代理購入規制」

越境ECを中心に中国で更なる拡大を続けているネット通販ですが、2019年1月1日に「中華人民共和国電子商務法(電子商取引法)」が施行され、同法は個人・法人・非法人組織にかかわらず、電子商取引業者に対して登記の義務を定めています。

それにより大きな打撃を受ける人たちは「代購」などと呼ばれる、WeChatなどのツールを駆使して顧客からの注文を受けて、海外で商品の代理購入を行う個人事業主です。

「代購」を行うには、商品の買い付け国と中国の双方で営業許可証を取得することが必要になるのと、納税が必須になります。これまでは「水货」などと呼ばれ、納めるべき税金を払わずにいるため「代購」が販売する商品は価格的にも競争力がありました。

新たな電子商取引法の施行まで2ヶ月を切ったいま、「代購」の聖地である香港の生々しい声を紹介する記事があったので、皆さんにご紹介させて頂きます!
新电商法实施之前,香港水货客的落寞24小时
元記事はこちら↑

この2ヶ月間できる限り香港を往来します

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「この2ヶ月間できる限り香港を往来します、今後何が起こるかわからないですから。」

嫻さん(仮名)も内心は不安で仕方がない。今年56歳の彼女も代購で生計を立てている。香港に住む彼女は毎週香港と深センを行き来し、香港で購入した商品を中国で代理販売者に売り渡している。そしてその代理販売者はネット通販を通じてユーザーに販売しているのである。

嫻さん以外にもこの<電子商取引法>が正式に実施された後、今までの販売方法が厳しく監視され、これ以上商売を続けられなくなることを心配している同業者は少なくない。嫻さんは来年1月1日以降、今までの「代購」ビジネスは確実に影響を受けるだろうと断言している。彼女たちに唯一できることは、この電子商取引法が施行されるまでの間、できるだけ香港と大陸を往来し、多くのものを売りお金を稼ぐことだ。

早朝6時30分、嫻さんの1日の仕事の始まり

早朝6時30分、嫻さんはいつも通り香港にある天水囲の住宅街より出発。専用のキャリーを引っ張り軽鉄(香港の路面電車)とバスを乗り継ぎ有名なショッピングセンター"上水広場"へ。1日の仕事の始まりである。

「(政策開始後も)もしかしたらまた、こういった商売ができるかもしれないわ。まずはやってみるしかないわね。」

2015年にも似たような政策が実施され、こういった密輸も打撃を受けそうになったという。当時深セン戸籍の人たちは何度でも香港を行き来できたが、その政策により1週間に一度しか行けなくなってしまったのである。そのため嫻さんたちは自分たちの商売に影響が及ぶのを心配していた。

しかしその政策が実施された後、香港の人たちが中国大陸に来るのは制限がないため、商品を香港から深センに持ち込むのは香港籍の人たちが担当。深センにいる人たちは中国大陸内の顧客収集、ニーズの調査などを担当した。

こういった買い物を担当するのは香港籍の移民たち。もともとは別の地域で生活していた彼らたちは香港のめまぐるしい仕事環境についていけず、こういった「代購」を収入源としているのである。 こうして香港へ移民した人たちと嫻さんは政策実施後にも関わらず多大な利益を得ることができた。

顧客は前日の夜に買ってきてほしいものを嫻さんに伝える。 本日の購入予定品は赤ちゃん用おむつやお菓子、サプリメント等など。
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嫻さんはたくさんの店舗を熟知しているが、それでもお店1軒1軒を比較し価格の違いやセール品、おまけの有無まで念入りにチェックする。

現地の写真を撮り、WeChatに載せることも忘れない。そうすることで消費者も本当に香港で売っているものだと確認でき、安心して購入できるという。偽物も氾濫している中国での商売には欠かすことのできない“信頼”の大切さを改めて認識させられる。

最大の難関は「通関」

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「絶対に前を向く、おどおどしているのを悟られては絶対にダメ。」

午前11時15分。混雑のなか嫻さんは香港で購入した商品でいっぱいのキャリーを引きずりながら、通関へと向かう。 通関士はおどおどしている人を検査するのが大好き。ここで捕まったら終わりだ。絶対におどおどしたり、何かを企んでいる様子を悟られたりしてはいけない。

抜き取り検査で没収され深セン入りを拒まれる可能性は非常に高い。その場合購入した商品はすべてが水の泡。利益になるどころか購入費用の元すら取れない。決してそのようなことがあってはならないのである。 もし2回連続で抜き取り検査をされ、罰則を与えられたものは3回目の時に顔認証システムによって本人特定されてしまう可能性も大いにある。

正午嫻さんは無事深センの地に足を踏み入れることができた。次の任務は羅湖汽車駅のエスカレーター前で、深セン側の受取人に商品を引き渡すことである。 このキャリーバックの中には人民元6500元、日本円にして約10万円相当の商品がつまっている。
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嫻さんが言うには一般的には購入金額より10%上乗せして中国の代理販売者に売り、代理販売者はそこから更に10~15%上乗せしてネット通販やWeChatを通じてユーザーに売るという。

嫻さんはこのように香港で購入した商品を深センに持ち込むことによって毎回700~800香港ドル(日本円にして約1万円~1万1500円)の利益を得ている。しかし税関の検査も更に厳しくなっている中、こういった行為の危険性が高まっているのも事実である。その上<電子商取引法>も実施されることとなり、代理販売者たちは商売継続への危機を感じ、商品の売価を上げ、今年中に少しでも多く稼げないかと考えている。

また消費者側も新政策実施後、「代購」が減り価格が上昇することを懸念している。そのため今のうちに!と大量購入する消費者が増えている。嫻さんと長年協力して「代購」を行っている胡麗茹さん(仮名)は「国慶節(中国の建国記念日)から注文が殺到しています。特に女性が多いですね。大量の靴やカバン、化粧品を購入しています。」と話している。

購入者が増え利益は増えているはずだが、胡さんも嫻さんも浮かない表情をしている。政策が実施されるとこうした「代購」は合法的に取引を行う必要がある。
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私たちの商品はすべて正規品。消費者の需要もあるわよ。


午後2時40分、すべての商品を引き渡した嫻さんは深センの出入り口、羅湖口岸を出ようとしていた。深センで安くて良い日用品でも買って香港にもって帰ろうか・・・そんなことを考えながら。

今まで何年も、たくさんの「代購」が自ら足を運び商品をこっそり持ち込むという非正規ルートで商売を行ってきた。普段は偽物や質の悪い商品を仕入れることはない。こういった非正規ルートで流れてきた商品は輸出入の登記手続きを行っていないため、何か商品に問題が起きた場合、消費者は誰にも責任を問えなくなってしまうのである。

「中国大陸の商品は安いし、コストパフォーマンスもいいけど、品質はかなり普通。10年前から大量の中国大陸の消費者が香港から粉ミルクを購入し、「代購」ブームが巻き起こったの。その後香港からの購入品はサプリメントやら化粧品やらに広がりいまだに膨大な数の消費者がいるのよ。」
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管理不足でなおかつ問題発生時の保障がなかったとしても、"輸入品や香港製の商品は高品質で安心できるもの"と信じてやまない消費者は今でも数多く存在している。

拡大するニーズに反して検査はより厳しくなっている。香港で購入した商品を持ち込むのはどんどん難しくなっている。そのため多くの「代購」はあまり大きくなく、かさばらない商品を持ち込んでいる。粉ミルクや飲料品はかさばるうえに、税関にも見つかりやすいため、引き受けるものは少ない。一方で薬や健康サプリメントなどは持ち運びに便利なうえ単価が高いため嫻さんにとっては一番好都合な商品だという。

「もし来年この商売を続けることができなくなったら、自分でサプリメントなどを買って、深センで小売店に卸売しようと思うわ」嫻さんは新政策実施後の影響を避けるために、ありとあらゆる対策を練っている。 彼女と友人はオンラインで取引をする以外に、商品の一部を輸入品店やコンビニなどに卸し、こっそり売ることを試みている。ネット通販がそこまで発展していなかった時代には、大量の香港からの密輸品はこのような方法で華南地区の消費市場に流れ込んでいたのである。

もし良いアイディアがあったら2か月後に教えてください

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将来、香港・深セン経由のこういった“非正規販売法”はどうなるかわからない。もしかしたらこのような非正規ルートで販売されていた商品に代わり正規ルートで輸入され、きちんと輸入の登記手続きが行われた“正規輸入品”が盛んに出回るようになるかもしれない。

「中国大陸の国産品が優れていたら、消費者も輸入品なんて買わなくなるし、私たち代理販売者の必要性だってなくなってしまうわね。」気付けばもう夜の10時、1日の仕事を終えた嫻さんは天水囲の自宅へと帰っていく。「明日の買い物リストを整理しなくちゃ。あなたたちはまだ若いから頭の回転も速いでしょう?もし良いアイディアがあったら2か月後に必ず教えてくださいね。」

-----------元記事の紹介はここまで--------------


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