2019年6月14日 更新

【記事コラム】ソーシャルコマース新時代へ向けてタッグを組んだ「微信(WeChat)」と「ジンドン(京東)」、かつてのダークホース「ピンドウドウ(拼多多)」はいかに?

微信(WeChat)、ジンドン(京東)、淘宝(タオバオ)がそれぞれソーシャルコマース商品をリリース、また、微信(WeChat)とジンドン(京東)がタッグを組むなど、ソーシャルコマースは新時代へと突入しました。大手SNSはEコマースへ、大手ECはソーシャルネットワークへと向かう動向の中、かつてはソーシャルコマースの代表と言われた新興EC「ピンドウドウ(拼多多)」は遅れをとっているようです。ソーシャルコマースの新時代とは何か、新時代の波に乗れない原因は何かを分析してみました。

微信、京东布局社交电商,一度领先的拼多多却无社交?

微信(WeChat)が打ち出した新機能は、意外にも“Eコマース”

今年3月上旬に公開された微信(WeChat)の新機能「好物圏」。オーダー管理、お気に入り登録、商品のオススメ機能などが一体となり、微信(WeChat)上での買い物体験を一元管理する機能で、アカウントをフォローして繋がっている友人間で、互いに商品をレコメンドしたりできる。「好物圏」のページからミニプログラムの購入画面へ直接ジャンプでき、ストレスフリーの買い物を実現した。
「好物圏」のロジックは、既存の「看一看(見よう)」の機能とほぼ同じ位置付け。「看一看(見よう)」はオススメの公式アカウントのコンテンツを友人間でシェアするが、「好物圏」はオススメの“商品”をシェアする。電子ブックや映画チケットなどのバーチャル商品も含まれる。
他社へサービスやネットワークを提供してきた微信(WeChat)が、ついに自らソーシャルコマース市場へと参入。微信(WeChat)ミニプログラムでのネットショッピングの浸透に合わせ、昨年9月、微信(WeChat)はEコマースへ着手した。「購物単(お買い物リスト)」の機能をリリースし、それを進化させたのが「好物圏」だ。「好物圏」は5月12日にアップデートし、よりユーザーのニーズに寄り添った機能へと進化を続けている。
微信(WeChat)のお買い物一元管理機能「好物圏」

微信(WeChat)のお買い物一元管理機能「好物圏」

メインメニューの「発現(発見)」→「捜一捜(探そう)」または「小程序(ミニプログラム)」→「好物圏」のページへ
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「友人のオススメ(朋友的推薦)」:ユーザー自らで商品をレコメンド、「みんなが買ってる(大家買過)」:ユーザーの商品購入や商品チェックなどの行動を分析して人気商品を割り出してシェア。

なぜ微信(WeChat)とジンドン(京東)はタッグを組む?

実は微信(WeChat)は2015年、「好物圏」と類似した機能「購物圏」をジンドン(京東)へ提供している。メインメニューの中にジンドン(京東)へのリンクを設置し、ジンドン(京東)ミニプログラムに「購物圏」の機能を組み込んだ。微信(WeChat)ユーザーは自由にジンドン(京東)の商品を友人たちへレコメンドし、それを見た友人は直接リンクをタップすれば購入できる。自身の大量のトラフィック、ソーシャルネットワークをジンドン(京東)へ開放するという前例のないことを微信(WeChat)は行ったのだ。
微信(WeChat)のメインメニューの中にあるジンドン...

微信(WeChat)のメインメニューの中にあるジンドン(京東)のインターフェース

メインメニューの「発現(発見)」→「購物(ショッピング)」→「京東購物」ショッピングサイトへ
ジンドン(京東)ミニプログラムのお買い物一元管理機能「...

ジンドン(京東)ミニプログラムのお買い物一元管理機能「購物圏」

大きな期待を寄せられた「購物圏」だが、思いの外普及しなかった。しかし、ミニプログラムの中で4年間も息を潜めていた「購物圏」が、最近になって再燃。微信(WeChat)の「好物圏」のリリースと共に復活を遂げたのだ。4年間で密かに増えていったフォロワーは1億人を超えていた。
京東零售集団の輪番CEO・徐雷は、5月21日に開催された”京東618全球品牌サミット”にて、「微信(WeChat)のトップページのインターフェースならびにエコシステムのユーザーリソースを利用し、ジンドン(京東)はソーシャルコマースへ参入する」と宣言。全く新しいソーシャルコマースのプラットフォームを構築する、その雛形はまさに「購物圏」だろう。これは微信(WeChat)を掘り起こし、三~六級都市のユーザーを開拓する重要な手段となると言う。
微信(WeChat)はEコマースを通じて保有する10億人のユーザーを継続的にアクティベイトしたい、ジンドン(京東)はソーシャルネットワークを通じて低級都市のユーザーを開拓したい。これが、両社が継続して提携する理由だ。

ジンドン(京東)が「購物圏」を復活させた根本的な理由とは?

かつて誕生した「購物圏」が再注目され、ジンドン(京東)のソーシャルコマースは多数のECアカウントから大いにプッシュされている。なぜなら、ユーザー自身の持つ交友ネットワークを利用すれば、トラフィックコストを十分に抑え、ショッピング頻度やCVR(コンバージョン率)を引き上げることができると気付いたからだ。
従来のECは明確な目的を持つショッピングへのニーズを満足させる。ソーシャルコマースは、交友ネットワークの中で影響され、不確定な潜在的ニーズを満足させる。例えば、前者は、何か欲しい物があると検索、価格比較、問い合わせなどを経て注文に至るのに対し、後者は、友人とのネットワークの中で彼らが購入した商品、オススメしたり議論を交わしている商品を見ると欲しくなり、彼らへの信頼性からそのまま注文するのだ。
最初のソーシャルコマースといえば「微商(Weishang)」だ。知り合いに商品やサービスを販売し、広告を打つこともできる微信(WeChat)の機能のひとつで、”グループチャット”や”モーメンツ(朋友圏)”の中に出現する。この形態は今なお支持され、高いCVR(コンバージョン率)を誇る。第2段階はソーシャルコマースの商品化で、微信(WeChat)を通じて共同購入を行うアプリ「ピンドウドウ(拼多多)」などがその指標とされた。そして第3段階はソーシャルコマース商品の融合。EC商品はソーシャルネットワークを持ち、SNS商品はEC機能を兼ね備えるというように相互に転化、融合する。まさに今、2巨頭が手を組んでいるように「好物圏」や「購物圏」はその先駆けだ。
例えば、商品レコメンド専用“モーメンツ”というような今までにない大きな交流場所を創造できれば、そこでの交友関係を通じたソーシャル消費は、どれほどのエネルギーと爆発力を持つことだろう? これこそが、ジンドン(京東)が「購物圏」の復活に力を注いでいる根本的な理由なのだ。

タオバオ(淘宝)もソーシャルコマースへ、基礎固めはすでに十分

ジンドン(京東)のソーシャルコマース宣言と同時期に、アリババ(阿里巴巴)もソーシャルコマースの新アプリ「淘小舗」を正式にリリースした。ソーシャルネットワークを利用したS2B2Cの代理販売モデルで、一般ユーザーをショップオーナーにし、彼ら自身の交友ネットワークを導入して販売する。実質上、タオバオ(淘宝)の商品体系にソーシャルネットワークのメカニズムを構築しようとした。言い換えれば、タオバオ(淘宝)に「微商(Weishang)」の機能を持たせようと目論んだのだ。
2013年にリリースしたモバイルタオバオのマーケティングツール「微淘」、「金币庄園」や「旅かえる(旅行青蛙)」などのソーシャルゲームは、タオバオ(淘宝)のソーシャル化への基礎を築いたものの、”購物圏”のようなメカニズムの実現には力不足だった。ユーザーへアプローチが単方向で、彼らとの間のソーシャルネットワークを樹立できていないからだ。
ソーシャルゲームの「金币庄園」

ソーシャルゲームの「金币庄園」

しかし、6年を経た今、チャットアプリ「アリワンワン(阿里旺旺)」やライブ配信ツール「タオバオライブ(淘宝直播)」が開発され、「微淘」もコンテンツコミュニティとしてモバイルタオバオの重要なタブの一つとなった。加えて「淘小舗」のリリースで、ソーシャルコマースの実現への基礎は十分に築いたと言えるだろう。ミニブログ「シンランウェイボ(新浪微博)」やSNS型ECアプリ「小紅書(RED)」への投資もその実現をサポートするだろう。あと必要なのは、一般ユーザーのとの間にソーシャルネットワークを樹立する適切かつ効果的な手法を見つけることだけだ。

ソーシャルコマースの代表「ピンドウドウ(拼多多)」にはソーシャルネットワークがない

ここで注目したいのは、かつてはECのダークホースと呼ばれ、ソーシャルコマースをリードした「ピンドウドウ(拼多多)」だ。微信(WeChat)のソーシャルネットワークのメカニズムを利用し、「拼団」と呼ばれるシステムを確立した。「拼団」は、条件を満たした複数人で購入すると安く購入できる仕組みで、“グループチャット”や“モーメンツ(朋友圏)”の中で展開される。微信(WeChat)の人口ボーナスを利用して短期間で急速な成長を遂げたが、現在はジンドン(京東)や微信(WeChat)に遥かに遅れを取っている。
その原因は、ソーシャルネットワーク商品を保有していないことだ。例えば、タオバオ(淘宝)はソーシャルネットワーク商品の基礎形態を完成させ、巨大な商品倉庫やエコシステムという優位な土壌を持つ。ジンドン(京東)は微信(WeChat)のトップページにインターフェースを構え、彼らとの戦略提携に特権を持つ。しかし「ピンドウドウ(拼多多)」は、商品設計にソーシャル化を実現できるだけの機能がなく、今なお微信(WeChat)に依存するのみなのだ。早期は「拼団」モデルで微信(WeChat)の巨大なユーザーリソースを動かしてきたが、プラットフォーム運営の進化に伴い、そのエッジ効果は必然的に減少していった。
ジンドン(京東)は4年かけて「購物圏」を再始動、タオバオ(淘宝)は6年かけて「淘小舗」を始動。大手は方向の転換や調整に時間はかかるこのの、動き出したらその一歩は大きい。一方、遅れを取ってしまった「ピンドウドウ(拼多多)」は、名ばかりの“ソーシャルコマースの巨頭”から脱却できだろうか? 微信(WeChat)以外の新たなユーザーネットワークの獲得、自身の体系におけるユーザーシステムの樹立、これこそが当面の深刻な課題だろう。
-----------元記事の紹介はここまで--------------


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