2019年7月3日 更新

【記事コラム】ダブルイレブンも今年で10周年!過去の歴史を振り返ってみよう

中国最大の買い物の祭典として国民的大イベントとなった11月11日『ダブルイレブン(独身の日)』。10年前まではただの「独身の日」としてしか認識されていなかったこの日が、どのようにして今に至ったのか、その歴史を振り返ってみます。

昨年はアリババと京東を合わせると5兆円もの取引高!

中国では毎年11月11日『ダブルイレブン(独身の日)』、”双11“というオンラインストアを中心とした大セールが開催されます。 2017年のこの日、中国2大ECであるアリババと京東商城はたった1日で合計約5兆円もの取引額を叩き出しました。

またアリババのCEOダニエル・チャンは2018年のダブルイレブンでは昨年の8億個を上回る10億個の商品を販売するとの見通しを示し、売上額も昨年を超えると予想しています。 そして注目すべきはその成長スピードで、アリババは2009年から2017年にかけて、その売り上げを3000倍以上に伸ばしています。
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中国全土のECが湧く11月11日、今年のダブルイレブンまでもう1週間を切りました。”1”が並んでいることからそもそもは「独身の日」と呼ばれたこの日がどのようにして今に至ったのか、その歴史を振り返る記事があったので、皆さんにご紹介させて頂きます!
盘点|双11九年来都发生了啥大事?
元記事はこちら↑

【2009年】「独身の日」が「買い物の日」へ

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アリババが自身のECサイト”天猫(当時の淘宝城市)”でセールを始めるも、世間ではまだ「独身の日」というイメージしかなく、このセールに参加したブランドはたったの27。売り上げも5200万元ほどだった。

【2010年】急成長と問題点

この年、”双11”は思ってもみなかった急成長を遂げる。711店舗が参加したセールの売上額は9.36億元。これは当時の香港の1日の小売の総合売上額を上回る程の規模だ。毎秒平均して2万元が取引され、181店舗の売上額が100万元を超えた。アリババだけに限らず、全てのサプライチェーンがこの動きに賛同し始め、中国国内でEコマースが注目されるきっかけとなった。

しかしこの急成長により様々な問題も生じた。 アクセスが集中したためオンライン決済のシステムに障害が生じ、また大量の発注に、当時はまだ物流も追いついていなかった。

5割引の大セールは2100万人の消費者の関心を集め、多くの人がその日の朝早くからパソコンの前で待機し参加した。しかし消費者から「11日に定価598元だった商品が12日には299元になっていた」ことが指摘され、一部店舗に対してセール前にあらかじめ価格を引き上げていたのではという批判が相次いだ。

【2011年】ECの地位の向上

”双11“の勢いは止まることを知らず、この年の売り上げは33.6億元に達し、12月下旬になっても商品の発送が完了しない事態にまで陥った。多くの会社では人事から財務まで、全社員が倉庫での発送作業に勤しみ、総力戦となった。 そしてこの年から中国EC2番手の京東や、アマゾン、テンセントなども参加し、より一層の盛り上がりを見せ始める。

また、これまでオンライン上でのセールであった”双11”だが、この年にはオンラインとオフラインを区別するのではなく、融合させていこうとする動きが見え始めた。 企業においては、EC部門が重要な地位につくようになり、Eコマースに関する話題が世間を賑わすなど、注目のトピックとして扱われるようになっていった。

【2012年】アリババと強豪の広告戦争

企業出店向けの”淘宝商城”は”天猫”と名前を変え、売上額も191億元に達するなど、”双11”は正真正銘、世界1のショッピングデーへと成長した。 またこの年アリババが”双11狂欢节“を商標登録し、あくまでアリババがこのイベントの中心であるという存在感を強めていった。

しかし、アリババの強豪である京東、蘇寧、易迅、当当なども独自のキャッチコピーを使って消費者の関心を得ようと奮闘し、争いの構図が見え始めた。
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【2013年】アリババVS京東

この年の売り上げは350億元を突破し、アリババのオンライン決済システムである支付宝を使用した取引額の割合を見ても、“双11”はまだまだアリババのお祭りであると示していた。

また消費者は”双11”が始まる2週間ほど前からオンラインでの購入をセーブし始める傾向にあり、小さなお店にとってその影響は大きいものであった。そしてセールが終わった後もしばらくは誰も物を買わない状態になるため、11日に集中して取引が行われるというだけで、全体的に見ると全ての店舗が大きな利益をあげているわけではなかった。

またこの年、京東は「不光低价,快才痛快」(安いだけじゃなくて、早いから良い)という広告を出し、アリババの物流の遅さについて批判した。またアリババのECサイト“天猫”の猫に対抗して犬のマスコットを生み出すなど、その対立を深めていった
京東によるアリババへの批判的広告

京東によるアリババへの批判的広告

【2014年】上場とグローバル化

この年の売り上げは571億元は2009年のおよそ1000倍だ。開始74秒で1億元を突破し、11時間49分で2013年の売り上げを上回った。

またこの年、アリババはニューヨーク証券取引所に新規上場し、香港や台湾、アジア、アメリカからの購入も多く、「グローバル化」が今年の”双11”の象徴となった。
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【2015年】国民的一大イベントに

アリババはこの年の11月10日の夜、北京五輪の会場となった北京国家水泳センターで大規模なカウントダウンイベントを開催した。4時間の生放送には国内外から有名アーティストやオリンピックメダリストなど数多くの芸能人が集まり、イベントを盛り上げた。

4万もの業者と3万ものブランドが参加する中、この年の売上額は912億元。毎秒14万件というスピードで商品が取引され、支付宝では毎秒8.59万件もの決済がなされた。
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【2016年】商品の多様化と新業態

この年の売り上げは1207億元。販売する商品も、スーパーマーケットの生鮮食品から通信系、航空券やホテル分野に至るまで多岐にわたった。235の国と地域から国境を超えた取引があり、欧米のEC会社もこのプロモーションに賛同した。

ユニクロのオンラインショップは、全てのブランドの中で1番早い半日で商品を売り切った。オンライン上だけでなくオフラインでもセールを行なっていたため、リアル店舗には商品を求める消費者で行列ができた。
オンラインだけでなくオフラインでもセールを始める店舗や、オンラインオフラインどちらでも使えるクーポンを配布する店舗など、ニーズに合わせた新しい業態が生まれ始めていた。

そして、100を超えるブランドの最初の商品購入が香港と台湾から行われた。消費者は現地通貨を使って直接買い物をすることができ、2日で配送されるシステムだ。

【2017年】スマホ利用率は90%!

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アリババの“天猫”の売上額は1682億元、日本円にして約2.9兆円にまでのぼった。他のECサイトも合わせた全体では2539.7億元の売り上げを突破し、その伸び率は43.5パーセントで合計13.8億個もの商品が購入された。 客単価はほぼ変わらず200元前後であるため、より多くの消費者が”双11”に参加するようになってきたということだ。

以前としてアリババがこの大イベントのリーディングカンパニーであることに変わりはないが(シェア66%)、その成長率は他と比べたらやや低く、1つのカテゴリーに特化した垂直型のEC (vertical e commerce)などもその存在感を示しはじめている。

また、この6年間でのモバイル端末の利用率の上昇は著しく、その割合は2017年では90%に及ぶ。 2016年の利用率は81.9%、2015年が69%であったことからも、その上昇ぶりは伺える。
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終わらないアリババVS京東

中国2大ECのアリババと京東だがそもそも両者の”双11”キャンペーンには大きな違いがある。 アリババの天猫では11月11日の20日ほど前から予約が可能で、またあらかじめ買い物かごに商品を入れておくことができる。しかし決済は11日に行うため、それらの売り上げは11日になされたものとしてカウントされる。 京東は”双11”のキャンペーン自体を11月1日からスタートさせるため、11日間のトータルセールスが”双11“の売り上げデータとして上がってくる。

”京东数学很好“(京東は数学が得意みたいですね)という皮肉など、11日だけの売り上げではないじゃないのではと指摘する批判を、お互いに言い合っている。


--------------元記事の紹介はここまで--------------

元はアリババ1社のみのセールスプロモーションでしたが、今では中国全土に広がり大変な盛り上がりを見せています。しかし”双11”は単なる買い物の祭典ではありません。11月11日は、普段からなんでもオンラインで注文し配達してもらうことが当たり前となっている中国で、膨大なアクセス数に耐えるシステムや10億個もの商品を配達する物流など、全てのオペレーション体制がテストされる日でもあります。

また「ECは終わる」と予告するジャックマーは、兼ねてからニューリーテールについて言及する機会が多く、オンラインとオフラインの融合に力を入れています。加えて「ものを売る」というだけではなく、どのような体験を消費者に届けることができるかといったサービス面、また技術革新にも重きが置かれるようになっています。

ECの祭典として始まった”双11”だが、10年目を迎えた今、この先どのような変化をとげていくのかにも注目していきたいと思います。

如何でしたでしょうか?

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