2019年1月9日 更新

【記事コラム】遂に施行された改訂版「電商法」、困るのは「代購」を生業とするソーシャルバイヤーだけじゃない?

2019年1月1日から「電商法」改訂版が施行されました。WeChatを使って顧客から注文を受け、海外の商品を代理購入し販売するという「代購」がブームになり、納めるべき税金を納めない「ソーシャルバイヤー」が社会問題になっていました。それにメスを入れるかたちで施行された改訂版「電商法」、今後どのように取り締まっていくのか?またどのような影響があるのでしょうか?

2019年1月1日から実施された改訂版「中華人民共和国電子商務法(通称:電商法)」。これにより、電子商取引(ネット通販取引)を行う者に対して、法律に則った主体登記と納税がづけられました。

「海外製=良質」という概念がいまだ広く持たれている中国。中国国内の顧客から注文を受け、海外の商品を代理購入し販売するという「代購」ブームが巻き起こり、それを収入源とする人も多く存在しています。

以前は登記不要のため、海外旅行に行く人や国外の留学生でも気軽にできた「代購」ですが、今後は営業許可証を取得することが義務づけられます。「代購」をビジネスにする収集がつかないほどの数のソーシャルバイヤーを今後どのように取り締まっていくのか?またどのような影響があるのか?電商法に関する記事がありましたのでご紹介いたします。
抓住那群代购,别让他们跑了
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違法に代購をしていないか?WeChatでの取締まりと代購業者の対策

「代購」のツールとして多く使われていたWeChat(微信)。WeChatのモーメンツ(タイムライン)に商品を投稿し宣伝することができ、商品購入希望者とも直接チャットを通じてやり取りができ、その上代金もWeChat Payで払うことができる。

今回の「電商法」改訂版の施行により、違法に「代購」を行うソーシャルバイヤーを取り締まるため、WeChatのモーメンツで商品に関する記事を投稿した場合、アカウントを閉鎖させられるという噂が広まっている。アカウント閉鎖を恐れたソーシャルバイヤーたちは、モーメンツで情報配信する際に、商品に関する「テキスト」は英語に翻訳して投稿、商品に関する「写真」は、イラストにして載せたりなど、WeChat側がシステムで自動検知できないような方法を模索している。
「電商法」は代購を行うにあたり、中国と買い付け先両国の営業許可証の取得と納税の義務を定めた。脱税への取締まりは厳しくなり、違反した者へは200万元(約3200万円)以下の罰金、さらに刑事責任も問われる。ソーシャルバイヤーのほとんどが買い付けのための渡航を一時休止する姿勢を見せている。
英語とイラストで投稿されるWeChatモーメンツ

英語とイラストで投稿されるWeChatモーメンツ

EMSも監視対象、中国郵政は税関と連動したシステムを導入

中国郵政はEMSの郵送物の監視を強化。税関は2018年11月30日より中国全土の税関で国内外からの郵送物の情報管理システムを導入するよう促し、郵政を利用し荷物を郵送した場合、「送り元」と「届け先」の個人情報と合わせて、郵送した物品の情報が記録されるようになった。

また空港では新たなX線荷物検査装置が設置された。これにより手荷物は一層厳しくチェックされることだろう。
空港に新たに設置されたX線荷物検査装置

空港に新たに設置されたX線荷物検査装置

代購の<ゴールデン時代>

数年前から「代購」は手軽なお金稼ぎの方法として人気を集め、1回の買い付けで1~2万元(約16万~32万円)、1ヶ月で5~6万元(約80万~96万円)ほどの収入を得ている人も珍しくなかった。その当時は税関もそこまで厳しくなく、検査される心配もなかったという。そのためローリスクで高収入を得られる“おいしい”ビジネスだった。
韓国化粧品の代購

韓国化粧品の代購

深刻な「代購」達の脱税問題

元CAの<李晓>は韓国の免税店から購入したものを売っていた。彼女は税関で一切の申告をしておらず、関税も支払っていなかった。ところが2011年、ソウルから北京の空港に着いたところを捕えられた。2014年北京の裁判所は彼女の8万元(約128万円)にも及ぶ脱税の罪により懲役3年の判決を下した。

2018年には淘宝で香港の商品を代購していた<游燕>が300万元(約4,800万円)の脱税で懲役10年、550万元(約8,700万円)の罰金の刑に処せられた。

2018年9月28日の”ブラックフライデー”に上海の浦東国際航空で税関検査された代購業者は100人以上だという。10本のリップで1800元(約28,000円)の税が徴収され、1万元(約16万円)分の美容品で3000元(約48,000円)が徴収された。
元CA代行業者<李晓>の判決に関するニュース

元CA代行業者<李晓>の判決に関するニュース

「代購」だけではない?電商法による影響を受ける周辺事業者

アメリカの在米中国人向け配送業者

もともとはアメリカ在住の中国人(主にアメリカの大学に通う中国人留学生)が中国国内にお得に荷物を送れるように設立された配送会社。もともとアメリカに数社しかなかった配送会社だが、代購のブームにより需要が拡大。今では80%の荷物が代購商品だという。代購業者が個人でアメリカに直接買い付けに行くには高額な航空券代が必要になるが、配送業者を利用することにより低価格で中国内まで商品を取り寄せることができる。

ある有名な配送会社<ANL Express>はアメリカから中国への配送荷物がここ数年で劇的に増えたことを述べている。2016年は前年比37%増加、2017年には前年比143%まで増加したという。

しかし「電商法」改訂版の施行により、数多くのソーシャルバイヤーたちは代購ビジネスを停止。そうなるとこれらの配送業者にも影響が及ぶ。中にはこの「電商法」からの影響を恐れ、12月中旬に既に荷物の配送受付を停止した業者もあるという。
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免税店での購入代金一部をキャッシュバックしていた韓国企業

韓国の免税店はより多くの消費者を呼び購買を促進するため、旅行会社などの企業と提携。それらの企業を通じて来店した顧客が免税店で買い物をしたら、お買い上げ額の数パーセントがコミッションとして企業に返金される。そして企業はこのコミッションを顧客の空港送迎や、ホテルの予約代行などのサービスにあてるのだ。中には購入した商品の金額の数パーセントを顧客にキャッシュバックするという会社も。そのキャッシュバックで利益を得て「代購」を行うソーシャルバイヤーも多かった。

しかし、最近では韓国製品よりも香港製品のほうが人気が高まり、免税店やキャッシュバックを行っていた企業も危機に。以前は商品代金の20%以上がキャッシュバックされていたがキャッシュバック率は低下。それに加え「代購」自体を行うソーシャルバイヤーが減ると考えると、こういった企業の事業継続も危うくなるだろう。
韓国ソウルの免税店でのキャッシュバックの広告

韓国ソウルの免税店でのキャッシュバックの広告

今回改訂されたのは不便な点だけではない。昨年の関税率の幾度かの改定に伴い、中国内に持ち込み可能な免税品の額も引き上げられた。以前は1回につき2000元(約32,000円)だったのが5000元(約80,000円)にまで引き上げられ、1年で20000元(約32万円)だったのが26000元(約41万6000円)にまで引き上げられた。

だが「代購」を生業とするソーシャルバイヤーにとってはごくわずかである。きちんと税関申告し関税を支払えば問題にはならないが、そうなると手元に残る利益はほとんど無くなる。今後どのようにしてこの苦境を乗り越えるのか?今後の動向が気になるところだ。

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