2019年10月28日 更新

【記事コラム】突如アプリストアから姿を消した「小紅書(RED)」が復活!大打撃を受けたKOL・MCN・ブランドなど復活までの苦労とは?

人気SNS型ECアプリ「小紅書(RED)」が突然アプリストアから姿を消しました。その衝撃的な出来事から約2か月が経った10月14日、“小紅書復活”のニュースが流れたのです。ソーシャルコマースの領域で大きな成功を収めつつあった「小紅書(RED)」の騒動が、KOL(インフルエンサー)、MCN(マルチチャンネルネットワーク)、ブランドに与えた打撃は多大なものでした。そんな彼らにそれぞれの立場からの意見を伺ってみました。

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小红书时隔2个月恢复上架:走了那么久 你变了没有
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アプリストアからの“削除”から“復活”まで

今年7月29日、SNS型ECアプリ「小紅書(RED)」がアプリストアから削除されたニュースは記憶に新しいだろう。なんの前触れもなく、突然アンドロイドおよびアップルのアプリストアからダウンロードができなくなってしまったのだ。「小紅書」は昨今の若い中国人の間では欠かすことのできない絶大な人気を誇るアプリなだけに、その影響は非常に大きく、「バイドゥ(百度)」検索ランキングで1位になるほどのニュースとなった。
メディアの報道によると、以前から批判されていた「購入意欲を煽るための閲覧数の捏造や誇大表現」や「ブランドの指示通りに宣伝を行うコンテンツ」に加え、「宣伝が禁止されているタバコや薬などの紹介」、「扇情的な画像を使用したコンテンツ」が増加したことが、強制的に削除された原因だとされている。
ダウンロードの“裏技”やダウンロード代行サービスが出回り、「小紅書精選」や「小紅書商城」と呼ばれる模倣アプリも登場した。ニセモノにもかかわらず、アプリストアの無料ダウンロードのアプリランキング10位に入ったこともある。
そんな騒動から77日後の10月14日、「小紅書(RED)」がついに復活した。アプリストアから再び正式にダウンロードが可能となった。この突然のニュースにメディア界は沸騰、グループチャットでは歓喜のメッセージが飛び交い、ユーザーたちは迫り来る “ダブルイレブン(双11)”へ勢いづいた。
「復活してよかった、危うく失業するところだった」と安堵...

「復活してよかった、危うく失業するところだった」と安堵のメッセージ

10月15日の時点で「OPPO」、「Vivo」、「応用宝」、「Meizu(魅族)」などの端末メーカーが提供するアンドロイド系のアプリストアでダウンロードが可能となり、大手アプリストアも近日中に可能となる見通しだ。これは「小紅書(RED)」のプラットフォームがきちんと改善されたことを意味する。
10月14日、アプリストアでダウンロードが可能に

10月14日、アプリストアでダウンロードが可能に

削除から復活までの2か月間、「小紅書(RED)」のKOL、提携するMCN(マルチチャンネルネットワーク)、広告を打つブランド企業は相次いで打撃を受けた。今、復活した「小紅書(RED)」に対し、プラットフォームの審査システムはどう変わる?ブランド企業の予算投入に変化は?MCNのKOLの手配や管理はいかに調整される?彼らのこの2か月の状況はどのように変わり、また今後はどのように変わってゆくのだろう。

コンテンツ審査が厳格に、ブロガーは投稿前に慎重なチェックが必要に

オフィシャルパートナーの某MCMによると「小紅書(RED)」のコンテンツ管理が明らかに厳しくなったそうだ。 “お気に入り”に保存していた『筆記(投稿)』が見られなくなったとフォロワーから問い合わせがあったことから、新たにアップしたコンテンツ以外にも、過去に投稿したコンテンツも再チェックし全面的に内容を審査しているのではと推測している。
某グルメ系KOLは、投稿前に広告法で禁止されている表現や用語を含んでいないかどうかチェックするようになった。違法キーワードがあった場合、システムに検出され、審査にかなりの時間がかかるのではないかと考えているからだ。
プラットフォームがチェックに要する時間はコンテンツにより異なる。特に健康志向を指南するダイエット系のKOLに対しては厳しく大きな影響を与えている。彼らは「小紅書(RED)」にルールを何度も確認し、「誤解を招かぬよう、クローズアップした画像や映像はできるだけ投稿しないようするべき」という見解に至ったそうだ。
また、削除期間中はトラフィックが減少し、一部のKOLは更新回数を減らしたり、ほかのプラットフォームへの移行を検討し始めた。ブランドも広告予算の投入を控えており、某コスメ系KOLによると「ここ2か月はブランド側からプロモーションの依頼はほとんどなく“ダブルイレブン(双11)”が近づいたことで多少はマシになった」と近況を語る。
そんな苦境の中でもボトルネックを打破し人気を獲得したKOLもいた。それは29.8万人のフォロワーを持つコスメ系KOL「啵唧爷爷」だ。彼女はもともと口紅のカラーテストやメイク指南といったコンテンツを発信していた。しかし、今回の騒動を受けて、8月末から可愛いらしいマイナーコスメの紹介を投稿したところ火が付き、数百しかなかった“いいね”は数千、数万まで膨れ上がった。フォロワー数は25万人増、“いいね”と“お気に入り”の獲得数は70万に。「今回の削除騒動は必ずしも悪いことばかりじゃない。コミュニティはどんどん規範化されている。原点に戻り、今後は商品宣伝でなく、自分が好きで良いと思うものをシェアしてゆくつもりだ」と彼女は語った。
苦境の中、マイナーコスメで人気を得た「啵唧爷爷」

苦境の中、マイナーコスメで人気を得た「啵唧爷爷」

多忙だったKOLも仕事が激減

広告収入に依存するMCNにとっては、「小紅書(RED)」の削除は大打撃となった。「最も明からさまなのブランドが投入する広告予算を削減したこと。半減したケースもある」と、各MCNの関係者たちは述べる。
中小ブランドの大半が静観する態度を取り、小紅書(RED)が認定するKOLブランドパートナーへのハードルは上がり、KOLの市場価格が全体的に上昇したため、ブランドは広告予算不足で十分に広告を打てなくなった。それに伴い大手ブランドもまたKOLによる宣伝予算を抑えた。某パートナーMCNの販売責任者いわく「一部のKOLは宣伝のニーズに対して供給が追いつかないほどのハードスケジュールだったのに、今では月にたった3~4件しか仕事の依頼がない」とのことだ。
MCNやKOLたちの焦りは火を見るよりも明らかだった。彼らの多くが代案として他プラットフォームでの展開も検討している。一方で、この状況を逆手を取り、KOLとの契約数を拡大しようとしたMCNもあった。
ユーザーの投稿は減り、フォロワーのアクティブ度も低下している状況下、聚微伝媒の創始者・趙仁元は、リスクオフの局面から事業の複数展開を進めつつも、「小紅書(RED)」への前向きな態度を堅持しなければならないと考えた。彼は「『小紅書(RED)』は数々のプラットフォームから抜きん出ている。KOLを支持するフォロワーのエンゲージメント率および市場での認知度の高さはこれまでと変わらない。長期展開に十分に値するプラットフォームだ」と言う。

小紅書はやはり超重要なプラットフォーム、復活すれば市場価値は十分

アプリストアで復活すれば、ブランドが「小紅書(RED)」へ投入する広告予算に大きな変化はないだろうと、某有名ブランドのソーシャルマーケティングの担当者は言う。
「アプリストアから消えようが、目下の主要プラットフォームと言えば、やはり『WeChat(微信)』に『ウェイボ(微博)』、そして『小紅書(RED)』なので、今回の騒動があったとしても引き続き大きな市場価値がある」とのこと。
また、業界関係者によると、「実際にブランドがどのくらいの予算を割くかというのは、他社競合品の広告投入の度合いによるだろう」とのことだ。

小紅書プラットフォーム「審査チームを強化、ミスは絶対見逃さない」

「小紅書(RED)」自身も、決して改革の手を止めない。
「小紅書(RED)」の内部関係者は、以前は「筆記(投稿)」を残らずチェックしていたわけではないと話すが、アプリストアからバンされた後は、審査チームを強化し、すべての「筆記(投稿)」を審査の対象とし、機械によるチェック、また人によるチェックと2段階で行っており、1件たりとも不適切な内容を見逃さぬようチェックし、1日にいくつものアカウントを処罰、停止させることもあると言う。
登録ユーザー数3億人超を抱える “種草コミュニティ”(商品をシェアしたり、宣伝したりして購入を促すコミュニティ)の長期的な発展のためには、今回のアプリストアからの一時的な削除は必ずしも悪い出来事ではなかっただろう。
いかなるプラットフォームも未整備のまま発展し続けることはできない。今回の削除は「小紅書(RED)」にとって、プットフォームの改善を後押しする契機となった。各方面に多大な打撃を与とえはしたものの、人々が注目する中、改善のファーストステップを確実に完成したというところだろう。

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