2019年7月3日 更新

【記事コラム】KOLコマースのパイオニア「如涵(Ruhan)」がNASDAQ上場承認、中国“KOL”ビジネスの主戦場はEコマースへ

淘宝におけるKOLコマースのパイオニア「如涵(RuHnn)」の始まりは、最初に立ち上げたブランド「莉贝琳(liblin)」。同ショップを展開する中でスーパーKOL“張大奕”を発掘し、KOLを活用したECのビジネスモデルを確立しました。中国の“KOL”ビジネスは後半戦へ突入し、如涵の上場に合わせて「KOL」+「Eコマース」のビジネスモデルが注目を集めています。

从淘宝店铺做到纳斯达克,但一年亏损9000万,网红电商的这把火是靠“烧钱”点燃的
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多くの“網紅”を生み出し、KOLコマースのパイオニア「如涵(Ruhan)」

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淘宝におけるKOLコマースのパイオニア「如涵(RuHnn)」の始まりは、最初に立ち上げたブランド「莉贝琳(liblin)」。同ショップを展開する中でスーパーKOL“張大奕”を発掘し、KOLを活用したECのビジネスモデルを確立した。現在この“張大奕”は同社の共同経営者として名を連ねる。

如涵はシリーズCの投資ラウンドで、アリババから3億元(約50億円)の資金調達を実施しており、BATでいうとアリババ陣営の会社とも言える。そして先日、ティッカーシンボルは「RUHN」でNASDAQの上場が承認された。持ち株比率は冯敏氏CEOが29.27%、共同経営者の張大奕氏が15%、他にも投資会社の赛富(SAIFパートナー)とアリババが各8.56%、君連資本(レジェンド・キャピタル)が8.54%を保有している。

如涵の事業内容は、“網紅(KOL、インフルエンサー)マネジメント”、“広告、“Eコマース”の主に3つのカテゴリーに分けられ、まず資金を投じて“KOL”を育成し、それからKOLショップをオープンして収益に結びつけると言うものだ。

同社が契約している人気KOLには、“张大奕”、“大金”、“虫虫”、“左娇娇”、“管阿姨”等がおり、これらKOLの数は2017年3月末時点の62人から、2018年12月末には113人と大きく増加。KOLのフォロワー数の合計数も、5,210万人から1.48億まで拡大した。運営するECショップは91店舗に上り、中でも、毎年1億元(16億円)以上のGMV(ネット取引額)を叩き出すのは、“张大奕”、“大金”、“ 莉贝琳”の御三家で、他にもGMVが3,000万~1億元のKOLも7名存在する。

株式発行時の目論見書によると、2018年度の前半9カ月のGMVは合計22億元(352億円)であった。2016年度から2018年12月時点までの年度別売上高は、それぞれ5.77億元(92.3億円)、9.47億元(151.5億円)、8.56億元(137億円)に達している。
米国ナスダック上場時の「如涵」の目論見書

米国ナスダック上場時の「如涵」の目論見書

売上黒字、営業赤字の「如涵」。上場で資金を集める

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「如涵」はKOLの力を借りて急速に成長し、堅調な売上推移からもKOLが確かに大きな販促効果をもたらしていることが分かる。しかし、すべてのKOLが張大奕のようにマネタイズに成功するわけではなく、「如涵」がKOL育成のために投じた多額のコストは、大きな重しとなって経営を圧迫してきているのも事実だ。

目論見書では同社は3年連続の赤字決算となり、2016年度と2017年度の負債額はそれぞれ4,013万元(6.4億円)と8,995万元(14.4億円)、今年度の前3期は5,750万元(9.2億円)で、対昨年同期比2,613万元(4.2億円)と明らかな増加を示している。売上は増収で成長曲線を描く「如涵」だが、KOLの育成コストと合わせて、商品原価やロジスティックまわり、また販管費のコストコントロールが上手くいっておらず営業利益を圧迫し、黒字化に至っていない。如涵はで多くのKOLを輩出したが、その投資額は大きく、回収にはまだ時間がかかるだろう。

NASDAQ上場の承認がおり「如涵」は更に潤沢なキャッシュを調達することになるが、今後どのようにビジネスを拡大させながら黒字化にもっていくのか、大きな注目を集めている。

「如涵」上場申請時のリスク情報開示から見えるKOLビジネスの難しさ

「如涵」上場申請時のリスク情報開示を見ると、“網紅(KOL、インフルエンサー)”ビジネスには次のようなリスクが考えられる。

1.特定のKOLへの依存度の高さ
「如涵」のトップKOL张大奕は、同社の売上の半分を1人で稼ぎ出す。もしも企業がこのようなトップ網紅を失えば大きな打撃を受けるのは必至で、甚大なリスクを伴う。また、網紅の育成にはコストと時間がかかり、すでに人気のある網紅と直接契約を結んだとしても多額の資金が必要だ。

2.KOLの不祥事とリスク管理
高収入を求めて多くの人が網紅を目指すようになり、その敷居が低くなっている。一部の網紅は素行不良などでニュース沙汰となり、スキャンダルによって全てのアカウントが閉鎖される事態も発生している。下記の“温婉”は、以前「如涵」の主力KOLであったが、今は全てのアカウントが閉鎖されている。
かつて「如涵」の主力KOLであった“温婉”

かつて「如涵」の主力KOLであった“温婉”

3.ユーザーロイヤリティの低さ
KOL市場は急速に発展しているのと同時に人気の移り変わりはとても早く、1年前に一世風靡したKOLの人気が急速に下降することも珍しくない。競争はますます激化しており、長期にわたってKOLがファンの高いロイヤリティは保つことは困難な状況になってきている。

中国の“KOL”ビジネスは後半戦へ突入か?これからはKOL+Eコマースが主戦場

たとえ新旧KOLの交代サイクルが早まっても、市場には新しいKOLが次々と投入され、KOLビジネス全体で見ると依然訴求力は高い。

市場調査会社iResearchのデータによると、2017年に「微博(Weibo)」でフォロワー数が10万人以上の網紅の数は2016年よりも57.3%増加し、フォロワー総数も20.6%増の4.7憶人に達している。
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そんな中、KOLビジネスはすでに“後半戦”に突入し、これまでの広告から、KOLを使ったEコマースが主戦場となっていくだろう。動画プラットフォームが雨後の筍のように現れているが、KOLは一定の人気を確保すると、次々と“動画+Eコマース”、或いは“ライブ中継+Eコマース”のビジネスモデルで収益化を図っている。

「TikTok(抖音)」の事例を挙げると、2018年のW11(ダブルイレブン)期間に1日で10万アイテムの動画が投稿され、売上額が2億元(32億円)を突破、注文数は1000%増となった。

同じく大手ショート動画プラットフォームの「快手(Kuaishou)」でもW11とW12のKOLコマースの売上額は億元レベルに達している。また、アニメやゲーム領域で強みを持つ「ビリビリ動画(bilibili、哔哩哔哩)」も、UP主(同サイトへ動画を投稿するKOL)の店舗開設サービスを開始し、KOLのEC展開を支援している。

KOLビジネスの後半戦は、KOL自身のタレント性だけでなく、多元化するマネタイズ手段を上手くマネジメントすることが重要で、EコマースなどKOL自身では完結できないビジネスについては、サードパーティのパートナーを活用することがポイントになってくるだろう。


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