2019年7月31日 更新

【記事コラム】KOL向け淘宝のアフィリエイトプログラムに新政策、6%の“特別サービス費”は誰のもの?

ショート動画等で人気のプラットフォーム「抖音(TikTok)」や「快手(Kuaishou)」等で商品販売するKOL達が利用する“淘宝客(KOL向けの淘宝のアフィリエイトプログラム)”に新ルールが適用され、KOLの収入に影響を及ぼそうとしています。プラットフォームとKOLを巻き込んだ“淘宝客”の新たな政策をご紹介します。

焦点分析 | 抖音、快手卖货卖得好,淘宝联盟要有新动作
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「淘宝連盟」×「コンテンツプラットフォーム」×「KOL」のコミッション制度に新ルール

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「淘宝連盟」は2010年に設立された、阿里巴巴グループ傘下のECマーケティング会社だ。淘宝連盟は、ショート動画などのコンテンツ投稿で人気のプラットフォーム「抖音(TikTok)」や「快手(Kuaishou)」と、そこでコンテンツを投稿するKOL(インフルエンサー)に対して、自社グループサイトの「淘宝(タオバオ)」へユーザーを集客するアフィリエイトプログラムを展開しているが、そのコミッション制度に近日新ルールが適用された。

このアフィリエイトプログラムは“淘宝客”と呼ばれ、KOL(インフルエンサー)が「抖音(TikTok)」などのソーシャルメディアで情報を発信し、「淘宝(タオバオ)」の出店店舗へユーザーを誘導する。そして淘宝の店舗で売上が立つと、「淘宝連盟」・「コンテンツプラットフォーム」・「KOL」の三者でその利益を分配する仕組みだ。

6月24日、アフィリエイトで収入を得ている多くの網紅(KOL)が、報酬明細票の中で6%の「特別サービス費(专项服务费率)」が徴収されていることに気がついた。これは淘宝連盟が、KOLから徴収した費用項目で、今後、KOLが「抖音」や「快手」などで商品を販売し、「淘宝(タオバオ)」の購入ページへ遷移して取引が成立した場合、この費用が徴収される。

淘宝連盟の新ルールは、KOL、コンテンツプラットフォーム、淘宝連盟の三者契約において、それぞれの収益に影響を及ぼすことになる。この提携で、得する人、損する人は誰だろうか?

6%の“特別サービス費”は誰のもの?

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新ルール実施後の明細書を見ると、コンテンツ掲載の“特別サービス費(专项服务费率)”として6%の費用が記載されている。いわゆるコンテンツ掲載とは、KOLが淘宝出店店舗の代わりに、テキスト、写真、ショートメッセージ、ライブ配信等をコンテンツプラットフォームで発信することで、コンテンツプラットフォームには「抖音」、「快手」、「微博」、「今日头条」、「UC」等が含まれる。

KOLがコンテンツプラットフォームで発信した情報を元に、消費者が淘宝の購入サイトへ遷移し購入に至った場合、KOLのインセンティブから6%の“特別サービス費”が淘宝連盟に支払われるという新ルールだが、ここで問題が発生している。KOLのコンテンツプラットフォームのコミッション金額が自動的に6%控除されるということは、彼らが手にする実質報酬金額が少なくなることを意味するからだ。

以前は、KOLがコミッション報酬を得た後、淘宝連盟に支払う金額はコミッション金額に対して10%の技術サービス費だけであった(コミッション金額×10%)。しかし現在は、KOLは売上金額の6%を“特別サービス費”として直接控除される。そのため、淘宝サイト外で商品を販売したKOLが、新ルール実施後に淘宝連盟に支払う費用は「技術サービス費(売上金額×コミッション率×10%)+特別サービス費(売上金額×6%)」となった。

もしもコミッション率が20%だとすると、これまではKOL、コンテンツプラットフォーム、淘宝連盟の三者で20%を一定の比率で分配していたが、現在は特別サービス費6%を控除した14%をベースに分け合うことになる。つまり、まず淘宝が特別サービス費6%を徴収し、残った14%から更に技術サービス費10%を控除した後、余りの12.6%を網紅(KOL)とコンテンツプラットフォームが折半することになる。KOLの取分は6.3%だ。かつての計算方法だと、KOLとプラットフォームは、コミッション金額の10%の技術サービスを差し引いた18%(20%-20%×10%)の取分を分け合っていたので、分け前比率は明らかに低下した。

またこの新ルールに則ると、仮にコミッション率が7%であった場合、6%を控除した残り1%を分け合うことになり、KOLの取り分はほとんどなくなってしまう。

このような状況を防ぐため、淘宝連盟はコミッション率について20%程度以上とすることを規定した。これにより、特別サービス費6%を控除しても、KOLは少なくとも売上金額の14%以上のコミッションをインセンティブとして得ることができる。

KOLからは不満の声が上がっている新制度だが、淘宝連盟はKOLの積極性を引き出し、コンテンツプラットフォームとの協力関係を維持するために、収益をKOLとプラットフォームに還元すると提案した。6%の関連費用は、特定チャネルのPV購入及び、プラットフォームとの提携商品や技術サービス向上に投下し、また、KOLをランクに応じた権限付与やインセンティブで奨励し、より多くの優秀なKOLの成長支援を行う計画だという。

新ルールにおけるメリット

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淘宝連盟の新ルールでは、KOLが外部サイトでコンテンツ紹介をする際に掲載する商品は、“内容商品庫”の中から選択するよう定めており、それ以外の商品を掲載することはできない。

“内容商品庫”は、淘宝連盟がコンテンツ掲載で使用するために用意した専用商品庫で、客寄せ商品と、コミッション率20%以上を条件とする商品の2種類がある。“内容商品庫”内の商品は、高評価を得ている店舗の厳選された商品に限られ、品質、量、販売後のアフターサービスは全て保証されている。偽物や粗悪品があれば排除され、網紅は品質に関するクレームを心配をすることなく安心て商品紹介ができる。

また、以前は淘宝店舗のプロモーションを行うKOLは、“低・中・高”の等級付けにより受け取るコミッション金額が異っていた。“高”ランクKOLのコミッション率は50%だが、“低”ランクのKOLではわずか数%のこともあった。新ルールの下では、全てのKOLが等級では区別されず、アカウントの等級制がないということは、たとえ経験のない新人KOLであっても、直ぐに20%以上の高いコミッションを得られるということだ。

不満も多い新ルール、「淘宝連盟」の狙いは?

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淘宝サイト外で販売力を持つKOLが増えるにつれ、淘宝は自らのコンテン環境やサプライチェーンのソースを見直す必要に迫られている。かつては大部分のKOLが単純に利益率の高さを追求し、商品の品質やアフターサービスを軽視して、ユーザー評価を落としていた。淘宝はコンテンツ紹介に対応した専用の“内容商品庫”を用意するだけでなく、徴収費用の調整を通じて、より健全な運営で信頼性を高め、より多くのユーザーを繋ぎとめようとしている。

また、淘宝にはより多くのKOLをコンテンツECに参画させたいという思惑がある。同サイト外のコンテンツプラットフォームは淘宝が重視する提携対象であり、「抖音」、「快手」、「微博」等のプラットフォーム以外にも提携範囲を拡大していく方針だ。

「抖音」、「快手」、「微博」、「哔哩哔哩(bilibili)」等の集客力は淘宝にとって看過できず、「快手」では数十分のライブ配信で数万着の洋服を売り上げる人気KOLも存在する。これら新しいメディアの新型KOL(インフルエンサー)の出現により、淘宝の伝統的な宣伝・サービス・マーケティングの在り方も新しい方向へ転換してきている。

たとえ6%の特別サービス費が一部の従来型KOLの利益を損ねたとしても、高額なコミッションシステムを作り、KOLのランク付けを取っ払うことで、より多くKOLが淘宝のマネタイズ制度に魅力を感じ、“内容商品庫”のアフィリエイトプログラムに協力してくれるようになると考える。

結局、売上6%の特別サービス費徴収の最終目的は、他サイトから自社サイトへユーザーを誘導し、淘宝のEC環境を活性化することに他ならない。今年4月、「天猫(Tmall)」」総裁の蒋凡氏は、3年で「天猫」プラットフォームの売上を2倍にすると宣言した。この目標は阿里巴巴(アリババ)社に大きなプレッシャーを与え、阿里巴巴はコンテンツEC環境の拡大に向けて、サイト外に触手を伸ばし、自社サイトへ呼び込むことで増益を目指す思惑が明らかである。

ショート動画消費が勢いを増すにつれ、プラットフォームとEコマースの結びつきが強まった。パイが大きくなればなるほど参入者も増え、将来的には、コンテンツプラットフォーム、ECプラットフォーム、通販サイト、KOLの全てが新たなシーソーゲームの一翼を担うようになるだろう。

コンテンツプラットフォームの費用徴収が常態化すれば、店舗はそのコストを資本計画に加える必要があるだろう。店舗とKOLはこの新ルールを受け、短期間の間に改めて試算と準備が必要だ。
-----------元記事の紹介はここまで--------------

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