2019年7月31日 更新

【記事コラム】 WeChat公式アカウントが誕生してから7年―公式アカウントの繁栄と衰退の歴史

日本でもネットの炎上がしばしば問題となりますが、中国の“炎上事情”は日本よりも深刻と言えるでしょう。公式アカウントのたったひとつの投稿がヒットするだけでファンが急増し商業化の可能性もある反面、思いがけない炎上を起こすことも。今回は、公式アカウントの繁栄と衰退の歴史をその事例と共にご紹介します。

公众号兴衰简史
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昨晩、500万人以上のフォロワーを持つHUGOがアカウントを休止した。彼の記事は毎回100万件を超える閲覧数があるが、それが前触れもなく突然停止したのだ。

メインアカウントから、「青年鉴定」、「苏火火」などの関連アカウントまで全て開けなくなった。また、いつ再開するかについては何も言及されていない。そしてこれは、HUGOだけではなく、2ヵ月前に記事がバズり閲覧数が230万件ある公式アカウント「今夜九零后」も永久に閉鎖されていた。業界関係者いわく、閉鎖されたのは4月19日に発売された《那个17岁的上海少年决定跳桥自杀(あの17歳の上海人の少年は飛び降り自殺を決意した)》という文章が原因だという。
今私たちは良い時代を過ごしている。WeChat公式アカウントを筆頭とするメディアは、高かった敷居を下げ私達全員に発言の機会を与えた。しかし、それは最悪の時代ともいえる。発言はすぐに共有され、思いがけない炎上を起こす可能性がある。そして今私達全員がその危険と背中合わせなのだ。

文章であろうとビデオであろうと、いわゆる”バズる”と言われる大爆発が生み出され、同じ価値感を持つファンが急増することで、商業化の可能性が高まる。その反面、爆発が起きた後に、誤って失敗した場合、大衆の標的になってしまう。

公式アカウントは天国にも地獄にもなる。2012年に誕生してから7年で、ある人は異例のスピードでチャンスを掴み、またある人は公式アカウントによって消えていった。

壱 ・ 暴 力

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2016年10月の最後の日に复旦学子が公式アカウント”旦事记”にある投稿をした。「アカウントを廃止しようと決心したのは、潔白を証明しようとする幼稚な感情が少なからずあったから。ただ、それが一番の原因ではない。」

果たして文字は暴力になるのか?”旦事记”が廃止されてから、誰かが疑問を口にした。

公式アカウント"旦事记"の繁栄と消滅のどちらも、《我上了985,211,才发现自己一无所有,或者也不能这么说》の投稿にある。この文章に何百万のいいね!が集まったのは、多くの読者の奥底にある共鳴点に触れたことが理由だ。

現代社会における階級や収入はますます明白になり、平民階級が中産階級以上になるには、間違いなく大きな努力が必要になる。しかし最悪なことに、努力が報われるかどうかは誰にもわからず、例え無駄だとしても努力するしかない。そんな人々が抱えるコンプレックスが文章全体を貫いていること、それが読者の共感を呼んだ。しかし、共鳴を呼ぶ物事には価値があるが、物議をかもすこともある。投稿に火がつくと、知乎、微博、微信などのソーシャルプラットフォームでも見ることができ、そうなると、全国各地の読者から文章及び作者に対する評論や、批判や悪口が殺到したのだ。
知乎に「旦事记の休止についてどう思う?」と質問があがり、匿名のユーザーが答えた。「実際、俞敏洪がいろんな場所で北京大学は劣等感を与えるって言っている発言となんて変わらないよね」

俞敏洪はかつて10年の歳月をかけてコンプレックスを自信へ変えたという。彼はかつて三回の大学入試を経て北京大学に合格している。優秀な学生だった彼は、北京大学に着いて初めて、自分の無知さや遅れを知り劣等感を感じたという。そして、劣等感は傲慢よりも悪いと語った。

しかしこれを追求するのなら公式アカウントを利用するのは正しい選択とは言えない。少なからず、自分の考えや概念を伝えるために公式アカウントを利用するなら、莫大なファンを持つ俞敏洪はもっと言葉を慎重に選ぶべきだ。多くの人は協調性のない態度や人とは違う信念を持つことによる孤立を回避しようとする。だからこそ、皮肉や、非難、批判、悪口はウイルスのように広がり、作者に向かって押し寄せる。

公式アカウントの暗黙の了解。「読者は作者の気持ちを理解する義務はないが、作者は読者の解読に代価を払う必要がある」。公式アカウントを利用するならリスクはつきもののようだ。

二 ・ 商 業

公式アカウントにより、人生のピークが訪れた人もいる。例えば「李叫兽」の作者である李靖だ。
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李靖は山東省の一般家庭に生まれ、武漢大学に入学、そして卒業後は順調に清華大学へ進学した。貧しい学生の憧れのような道を歩み始めた李靖だが、清華は彼の人生のただの出発点に過ぎず、本人もまさか近い未来に、BATの巨頭である百度と交流を持つとは思いもしなかっただろう。
当時百度は前例のない危機に直面していた。血友吧贴吧事件や、魏則西事件、また国家ネット信用機関が百度への調査及び入札価格やプロモーションの規制を強化するなど、どれも百度を極めて悪い立場に追いやっていた。

李靖はその頃、2年前に公式アカウント“李叫兽”に投稿した「7页PPT教你秒懂互联网文案(7ページで分かるインターネット文案)」が、メディアによって「月薪3000和月薪30000文案人的区别(月収3000元と月収30000元の人の違い)」に改修され、Eコーマース文案の大人気記事となっていた。そのあと投稿された「X 型文案和 Y 型文案」も続けて大きな話題を呼んでいた。
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「李叫兽」の執筆者として、李靖はマーケティング方法に関する文章を百編以上書いており、「做市场的人,不一定知道什么才是“市场”(市場を開拓する人すべてが市場を理解しているとは限らない)」や「为什么你有十年经验,但成不了专家?(なぜ10年以上の経験があるのにまだ専門家になれない?)」など人気の分析系の文章がある。さらなるマーケティングの科学化を推進するため、2015年に李靖は北京教育情報科学技術有限公司を設立し、マーケティング方法論やツールを研究開発や、営業への授業を行った。

その頃の公式アカウントは多くの栄誉を獲得し、当時、李靖が募集した999元の授業「14日間の計画変更」は、2000人の定員が9時間で埋まるほどの人気ぶりだった。そして同じ頃、百度の創業者李彦宏は2017年の新年の講演で百度の一連の危機について、"情報フローは百度の未来を変えると"強調していた。

セルフメディアコンテンツ制作の知識があり、情報フローに重点を置いていた百度にとって李靖はまさに求めていた人材だった。百度はすぐに彼に連絡をとり、李靖の会社を1億元の価格で買収し、李靖は百度の副社長となった。そして"2年足らずで1億元の売り上げを記録"、"25歳、百度史上最年少の副社長"という素晴らしい肩書まで獲得した。
李靖にとって、キャリアプランニングの原則はギャップを見つけることだ。「足りないものを提供するのであって、他の人の余裕を増やすことが目的ではない」。彼は年収300万元のオファーを受けても5分で断った、百度の情報フローが最も不足していた時にはさらにビジネスに打ち込こみ、「この人は百度に変化をもたらしてくれる」と多くの社員が感じたという。しかし、李靖は2018年に百度を辞めている。自身の教科書スタイルの発展が理由だという。
彼の能力は実に高い。いたる所で授業を行い、最後には百度にまで行った。百度もまた知識のために喜んで大金を支払った。

公式アカウントビジネスから百度にまで進撃した李靖は成功者といえる。彼が辞表の中で言ったように、人生にはむだな道がない。"李叫兽"の最終更新時間は2017年のバレンタインデーで、12人の一緒に前進できる人材を募集する内容だった。李叫兽が一般公開で募集を行ったのはそれが初めてで、最後となった。 李叫兽がいつ公式アカウントに戻るかは不明だが、彼の熱意はまだまだ燃え滾っているようだ。

参 ・ プ ラ イ バ シ ー

「私の名前は许豪杰です。私は90年代生まれで、今回で32回目の起業です...」おそらく、この冒頭の発言を今でも覚えているという人はまだいることでしょう。
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安徽衛星のテレビ番組「超级演说家(スーパー演説家)」を見たことがある人なら、チェックのシャツを愛する许豪杰をよく知っているはず。彼は全国3位の実力者だ。

ファンたちは彼を生まれつきの役者体質だという。投資家に対して専門用語を豊富に引用しながらすらすらと語ったかと思うと、突然、感情的に身振り手振りで気持ちを表現する。まるで舞台に立つ役者のように観衆に対して自分の内心を表現するのだ。

例えば、许豪杰が自信満々な早口で起業計画を語ると、テーブルの向こうの投資家たちはこの場でこの案件に投資しなければならないのではと彼の口車に乗せられ、1.5億ドルの投資が即決した。

それから3年後には「演説家」としての弁舌を活かし、2016年にショート動画の連載を開始し、またWeChatでも同名の公式アカウント「許豪傑」をオープンし、”創業の神”として多くの注目を集めた。

本人は自ら命名した”企業の神”と呼ばれたがったようだが、ある人は彼を男性版papi酱と言い、そして”口から出任せを言う人”は彼の最も認識されている肩書だ。

公式アカウント「许豪杰」が廃止される前は、多くの投稿に10万件以上の閲覧数があったが、嵐は不意にやって来て防ぎようがない。
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2017年7月中旬、许豪杰は小児性愛者であると暴露された。「正太」の関連サイトishotacon.comを作成され、情報の信頼性と真実を証明するために、暴露者は次々に証拠を投稿していった。プライバシーが暴露され、一瞬で世論からの非難や、軽蔑、罵詈雑言が津波のように押し寄せ、许豪杰を飲み込んだ。彼の否定や声明は証明にならず、微博のアカウントは未だに閉鎖されている。

プライバシーが暴露され恥ずかしい気持ちやプレッシャーもある中、2017年7月16日に许豪杰は自身の公式アカウントにて14秒の動画を投稿した。「私はただの起業家だ。私はここにいる。私は逃げない。公式アカウント许豪杰は、10万以上の数字を生み出し、起業家に無限の想像力と思考を与え、今日まで沈黙してきた。」そして、今年の4月22日にまた更新があった。「私は许豪杰だ。ここで初めて起業を教えた。そして、私は刀を抜く前に公式アカウントの告発により殺され、そろそろこのアカウントも閉鎖されるだろう」

知乎に「”企業の神”许豪杰をどう思いますか?」と質問があがり、匿名のユーザーが答えた。
「この男はヘルスケア製品を販売している群衆を怒らせた。彼らは死ぬほど彼を憎んでいるに違いない。プライバシーが暴露される二ヶ月前、许豪杰は「高齢者は健康食品に夢中になり、もう自力で抜け出せない。5分間の動画でお年寄りの健康食品の末路を暴露します」というタイトルの投稿をし、コメント欄に苦情が殺到した。

これをきっかけに、何人かの人は、一つのアカウントが社会の暗闇の中に隠されたグレーな組織を浮き彫りにしたのではと考え始めた。
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中国で流行した言葉に"鸡汤文"がある。その意味は、パッと見れば「心温まる物語」だが実際は「温かい文字で人に力を与えるが、実際に薄っぺらい文字を羅列しているだけで、人の現実世界を何一つ変えられない文章。」のことを指している。思考の偏りや不安という一般的な社会現象が”鸡汤文"を生み出したと言われており、最近の公式アカウントで何万ものファンを持つ作者の多くも、文章から動画に至るまでこの"鸡汤文"に毒舌を絡ませた内容で、読者に快楽や爽快感を与えてきたが、そろそろ世間もこの毒舌に飽きているようだ。

否定的なエネルギーは人々の生活の一角に必ずある。だからこそ”鸡汤文"は毒舌や皮肉ではなく、これからもっと人に活力を与えるものに変化する時期がやってきたのかもしれない・・。
-----------元記事の紹介はここまで--------------

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