2019年2月25日 更新

【記事コラム】W11のROIが前年比50%増、“ソーシャルメディア”と“KOL”を積極活用するロレアル中国のマーケティング戦略

ロレアル中国は、“ソーシャルメディア”と“KOL”を積極活用しメガヒット商品を生み出しており、またビッグデータ分析の活用で2018年のW11期間、ロレアル中国のROIは昨年と比べ50%も上昇したと言います。中国のデジタルマーケティングで先進的な取り組みを行っている同社の事例をご紹介します。

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オンライン販売に重点を置く「ロレアル」、販売員が淘宝ライブでKOLに

“鉄唇哥(口紅王子)”の異名を持つ男性美容家KOL・李佳琦

“鉄唇哥(口紅王子)”の異名を持つ男性美容家KOL・李佳琦

1966年、コスメブランド「メイベリン」はロレアルグループに買収されると、オフラインの小売店舗の売り場を一気に占拠。その後10年間は、中国経済の発展と共に安定して売り上げを伸ばし、2008年には売上高10億元(160億円)を突破した。

しかし市場が変化し、オフラインの実店舗はオンライン店舗にどんどんシェアを奪わていく。国内ブランドがインターネットを使ったマーケティングを開始し、ソーシャルメディアを使った手法がより多くの若者消費者の心を掴むようになると、従来型の店舗販売を行っていたロレアル中国の2015年売上高は昨年比4.6%減の149.6億元(約2,494億円)に落ち込み、2016年以降も下降を続けた。

売上下落を受け、ロレアルは伝統的な経営モデルから、“オンライン”と“オフライン”を一体化したモデルへと積極的な変化を模索する。2016年、同社は部門を跨いだマーケティング系の部門再編を行い、営業部とデータマーケティングセンターを一体化。さらにデジタルデータを分析する専門部門を新設し、Eコマース部を立ち上げた。

2018年8月、「メイベリン」は消費者に新しい小売体験を提供するため、北京カルフール、ウォルマート、物美(Wu Mart)等の大型スーパーへ出店し、より生活圏に入り込んだ店舗運営を開始する。また、中国の消費者が“個性”、“スピード”、“体験”を重視するよう変わってきた点にあると考え、ロレアルは消費者の志向に合った販売ルートの戦略としてオンライン販売に重点を置く。

そんな中、「淘宝(タオバオ)」のライブ配信で商品について詳しい説明ができる司会者を探していた。そんな中白羽の矢が立ったのが、ロレアルで1年半メイクや販売、営業トークなどのテクニックを学び、販売カウンターで実習生をしていた男性の「李佳琦」だ。

2018年上半期に「天猫(Tmall)」で李佳琦がライブ動画配信を行うと、80本に及ぶ動画再生回数は1000万回を超え、ロレアルの売上は1,000万元(1億6,000万円)以上に。圧倒的に女性の進行役が多いライブ配信において、男性の李佳琦は大きな注目を集め、“鉄唇哥(口紅王子)”の異名を持つまでになり、一般の販売員からKOL(インフルエンサー)へと成長を遂げた。

ソーシャルメディアや越境ECと連動させてヒットを生む

ロレアルパリの美容液「黒精華」

ロレアルパリの美容液「黒精華」

ロレアルパリの美容液「黒精華」は、2018年のW11(ダブルイレブン)で1億元(約16億円)以上を売り上げた人気商品だ。

以前は女優の巩俐などを起用してアンチエイジング効果をアピールしていたが、芸能人を使ったマーケティング手法は次第に売上に結びつきにくくなっていた。そこでロレアル中国のデータマーケティング責任者の王茜媛氏は、ソーシャルメディアを使ったKOLマーケティングを採用し、その効果について次のように語っている。

「我々は最初にKOLを使ってフォロワーの反応を探り、ユーザーに最も“引き”のある成分や効能を探しました。フォロワーの反応が見えるとすぐにPR戦略を調整し、商品の“二裂酵母”成分を全面に打ち出す方向へ転換。消費者に分子構造や、皮膚にどのような作用を及ぼすか、如何にしてアンチエイジング効果を生み出すかについて紹介すると、多くの消費者から反応があり、消費者が元々成分について興味を持っていたことが分かりました。

90~95年代生まれの今どきの消費者はとても理性的です。ブランドにとってそれは好都合で、消費者の商品に対する理解が深まれば、ロイヤリティの高い顧客になってもらえるでしょう。」
「小紅書(RED)」に投稿されたメイベリン「Fitme...

「小紅書(RED)」に投稿されたメイベリン「Fitme」の書き込み

メイベリンの「Fitme」ファンデーションは国外で先行発売され、2017年に中国市場でも販売を開始。商品イメージがソーシャルメディアを通じて醸成され、その後「淘宝(タオバオ)」や「天猫(Tmall)」で販売されて人気商品となった事例だ。

「Fitme」ファンデーションのマーケティングでは、「小紅書(RED)」等のソーシャルメディアで商品情報を拡散。ブランド側は、初めにKOLに商品を提供し、KOLを通じて使用感などをフォロワーに共有してもらう方法をとった。

情報が共有される中で分かったのは、多くのユーザーが「Fitme」が「海淘(越境EC)」の人気商品であることに注目している点で、YouTubeで数万人が投稿を寄せている商品であることなどがユーザーのコメント欄に書き込まれ話題を呼んでいた。

メイベリンはソーシャルメディアのフォロワーの意見を参考に、「Fitme」が越境ECで人気商品であることが商品特徴であり“売り”であると判断し、コンセプトを設定。宣伝効果を最大化するため、人気俳優の陳霆をイメージキャラクターに起用した話題作りも行い、2018年初めからW11(ダブルイレブン)までの売上でファンデーション部門第3位を獲得した。
毎日数十億件もの書き込みが投稿される「小紅書(RED)」では、ユーザーがそれぞれ自身のコスメに対する心得を共有している。

元々は化粧品業界が宣伝のために行った知識教育が、KOL(インフルエンサー)の影響でユーザーに広まり、今ではすべての人が自身のコミュニティ内でKOLと成り得る。ソーシャルメディアの双方向性は、“平面的”であったコスメのイメージを、ユーザーの関心やニーズによって一層明確に引き出し、“立体的”に見せる効果があるようだ。

現在ロレアルグループは、ビッグデータ分析を活用した阿里巴巴(アリバア)傘下のデータマーケティング会社「阿里妈妈(アリママ)」と提携し、「TikTok」、「微信(Wechat)」、「微博(Weibo)」、「小紅書(RED)」、「哔哩哔哩(bilibili、ビリビリ動画)」の5大ソーシャルメディアでブランドに対するユーザーの意見や提案を収集し、改善に役立てている。

データ分析に基づくマーケティングでROIが50%上昇

ビッグデータマーケティングを提案する「阿里妈妈(アリママ)」

ビッグデータマーケティングを提案する「阿里妈妈(アリママ)」

メイベリン「Fitme」ファンデーションのヒットは、メイベリンがショーシャルメディアを通じてフォロワーとコミュニケーションをとったことに加え、「アリママ(阿里妈妈)」が提供する動画メディアのアドネットワークを利用して、網羅的にブランドを露出し、各チャネルにPRコンテンツを絡めて話題を喚起したことも大きい。

ロレアル中国はアリババとの提携の中で、“立体化”されたマーケティングとソーシャルメディアのネットワークを構築し、メガヒット商品を生み出している。これにより、ロレアルはより多くの新規ユーザーの獲得にも成功しており、これから数年の間にさらに10憶人の消費者を獲得したいと考えている。

そのために必要なのはデジタルデータに基づく戦略で、例えばメディア投入、データマーケティング等は目標達成において重要な柱となるだろうとロレアル中国主席データオフィサーの吴翰文氏は言う。

2018年のW11期間、ロレアル中国のROIは昨年と比べ50%も上昇した。その要因は、ターゲットの精緻化が大きく関係していると考えられており、ロレアルデータマーケティング責任者の王茜媛氏は、「ターゲットの精緻化はマーケティングに大変重要で、W11におけるターゲット分類は数百に上った。「アリママ」のマーケティングツールを使って、「メイベリン」ブランドがユーザーとの交流率を高めること成功した」と語る。

「アリママ」のマーケティングツールでは、適切なスターやKOLを探し出し、プロモーション商品と結びつける機能がある。また購入意欲のあるユーザーを、検索及び閲覧ページなどから「天猫」や「淘宝」の購入サイトへ誘導する。プラットフォーム内で行われたコミュニケーションや、すでに商品に関心を持っているユーザーに対して二次接触することができ、ブランド商品の効率的なアプローチを実現している。

近年、ロレアル、資生堂、エスティ―ローダーなどの化粧品メーカーが次々とビッグデータ分析を活用したデジタルマーケティングへと舵を切り、その方法やチャネルは多様化する傾向にある。

-----------元記事の紹介はここまで--------------


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