2018年12月3日 更新

【記事コラム】淘宝KOLコマースのパイオニア“如涵”、34歳社長夫人「陳思佳」の経営手腕

淘宝におけるKOLコマースのパイオニアといえば、"如涵(RuHnn)"。如涵の大躍進の陰には、社長夫人で共同経営者でもあるKOLビジネスの仕掛人、陳思佳の存在があります。淘宝ショップの立ち上げ、人気KOLの発掘、SNSの活用など…ECビジネスを育て、孵化させるまでの軌跡をご紹介します。

淘宝におけるKOLコマースのパイオニア「如涵(RuHnn)」の大躍進大躍進の陰には、社長夫人で共同経営者でもあるKOLビジネスの仕掛人、陳思佳の存在があります。

始まりは、最初に立ち上げたブランド「莉贝琳(liblin)」。同ショップを展開する中で現在のスーパーKOL張大奕を発掘し、KOLを活用したECのビジネスモデルを確立しました。

如涵は2016年に実施したシリーズCの投資ラウンドで、アリババから3億元(約50億円)の資金調達、2019年にはアメリカ株式市場への上場を予定しており、IFRの報道によると、資金調達額は1億USD~2億USDになると言われています。

そんな如涵(RuHnn)が中国でKOLコマースのビジネスを孵化させるまでの軌跡をご紹介します。

两年时间将红人店卖到公司TOP3,34岁“如涵”老板娘成新晋网红
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EC界のスーパースター「張大奕」と、如涵の社長夫人で共同経営者「陳思佳」

EC界のスーパースター「張大奕」

EC界のスーパースター「張大奕」

880万人のフォロワーを持つファッションアイコン「張大奕」は、“網紅”と呼ばれるKOL(インフルエンサー)で、今やEC界のスーパースターだ。年収1億元(約16億円)を稼ぎ出すというだけでなく、女性向けの洋服や下着、コスメなど多くのブランドを手掛けている。

しかし、現在の張大奕誕生の背景には、センスを武器にその腕で買い付けを行いファッションブローカーとしての地位を築き上げた、ある人物の経営手腕抜きでは語れない。それを成し遂げたのは、如涵(RuHnn)の女性共同経営者・陳思佳である。
如涵の女性共同経営者「陳思佳」

如涵の女性共同経営者「陳思佳」

3年で「莉贝琳(liblin)」をトップブランドに

陳思佳が淘宝(タオバオ)でビジネスを始めたのは2003年まで遡る。

2003年、浙江传媒学院アナウンサー学科に在籍していた陳思佳は、淘宝に店をオープン。週末になると、彼女は列車に乗って杭州から上海へ。七浦路の卸売市場で自分が気に入った服を10アイテムほど選び、学校の寮に戻ると自ら写真を撮って、淘宝のショップにアップした。

2006年、陳思佳は後の夫となる冯敏らと出逢い、5人の創業メンバーで如涵を創業する。

2011年、陳思佳らは淘宝に「莉貝琳(liblin)」というブランドでアパレル系のショップを出店。ちなみに「莉贝琳」は、陳思佳の微博(Weibo)ハンドルネームであった。
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KOLコマースのパイオニアとして如涵が大躍進するきっかけとなったのは、この「莉贝琳(liblin)」の立ち上げにある。同ショップを展開する中でスーパーKOL張大奕を発掘し、KOLを活用したECのビジネスモデルを確立していく。

2012年、淘宝のレディース系のアパレル店舗では、モデルの写真を使った投稿が流行。陳思佳もモデル探しを始め10名ほどスカウトするが、その誰にも満足することができなかった。そんなある日、彼女は微博である広告を目にする。きれいな女の子が1枚のクレジットカードを手に微笑む姿が魅力的で、強い影響力があると思った。

そのモデルの名は、张大奕。陳思佳は彼女を自分のショップの専属モデルに起用したいと考え、契約を結ぶ。

また陳思佳は、淘宝で初めて洋服のコーディネート提案をスタート。ショップオープン後、コーディネートの詳細ページで各アイテムの着こなし術やセットアップを紹介し、「莉貝琳」の大きな特色となった。
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美しいモデルが流行のファッションを身に纏うと、店舗はたちまち人気に。「莉貝琳」は3年間で100万人にも上るフォロワー数を獲得し、あっという間に淘宝の女性ファッション売上ランキングでトップ10に名を連ねるようになる。

超人気ショップとなった「莉貝琳」を閉鎖、本格的にKOLコマースへと舵を切る

「莉貝琳」の店舗を運営をする中で、陳思佳は次のような購入者の不満を頻繁に耳にする。

「身長170㎝の张大奕が着るとどんな服でもステキに似合うの。でも実際に自分が来てみると、全然イメージと違うんだよね…。」

そこで、身長158㎝の陳思佳は自分が実際に商品を着て、鏡越しに撮影してみることにした。莉貝琳の洋服を自身で試着し、その結果を微博で公開すると、リアルな着用イメージが等身大で分かりやすいと、陳思佳の微博はフォロワーの話題に。

淘宝のショップに新商品がアップされる度に、陳思佳の微博も更新され、想像以上の相乗効果が現れた。微博に新アイテムが紹介されると、淘宝店舗の商品が即完売するようになったのである。
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陳思佳の微博フォロワー数は徐々に増加し、8万人近くに。如涵はKOLコマースのビジネスモデルを確立していく。

このとき陳思佳らの前には2つの道があった。1つは引き続き集客量を増やす販促活動を展開すること、もう1つはSNSを使って新しい顧客を呼び込むという選択肢であった。

陳思佳が選択したのは2つ目の方法で、“網紅(KOL/インフルエンサー)”を全面に押し出した店舗展開をしていくことを決意する。

彼女がとった戦略は、まずは、可愛くて影響力のあるKOLが微博でファンのフォロワーを囲い込み、次にKOL自身の淘宝ショップへ誘導、リコメンド商品を購入してもらうというもの。同時にこの淘宝ショップはKOLの代わりに如涵が代理運営するモデルだ。

当時、张大奕の新浪微博にはすでに30万人近くのフォロワーがあり、彼女がベストな人選であった。如涵は、张大奕の淘宝ショップである「吾欢喜的衣橱(JUPE VENDUE)」を代理運営を開始し、「莉貝琳」ブランドの淘宝ショップは閉鎖されることになる。
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2016年のダブル・イレブン(11月11日)、张大奕のフォロワー数が400万を突破。彼女のショップは、淘宝で初めて売上高1億元を超える女性ファッションブランドとなり、その年の「吾欢喜的衣橱」の営業収入は2憶元を超える。

“網紅”と呼ばれるネット上のKOL(インフルエンサー)を活用したECモデルで、如涵のビジネス領域は次々と拡大。张大奕以外にも、「大金(Big King)」、「左娇娇(Rosemary)」、「管阿姨((guanayi)」など、現在の人気KOLと提携していった。

如涵の創業メンバーとして、35歳にも満たない陳思佳だが、彼女はECサイトにおけるKOLの仕掛人として大きな影響を与えた。

「莉貝琳」ふたたび。34歳女社長の新しい挑戦

「吾欢喜的衣橱」は予想以上に順調立ち上がり、多くの利益を手にしたにも関わらず、陈思佳は2年後には「吾欢喜的衣橱」から退き、如涵で再び「莉貝琳」を手掛けることを決定する。

如涵の社長夫人で経営パートナーでもある陈思佳だが、莉貝琳の再起動にあたり、夫で社長の冯敏は同社の他のショップと同様に例外扱いはしなかった。张大奕や管阿姨など同じように、陈思佳に10名あまりのスタッフを割り当て、莉貝琳ブランドチームを結成する。
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2016年7月、陈思佳が育て孵化した「莉貝琳」ブランドがリニューアルオープンする。

5年の歳月を経て、満を持してネット市場に送り込まれた“刺客”であったが、陈思佳は多くの競合と向き合うことになる。莉貝琳の微博フォロワー数は136万人で、自社の如涵が抱える张大奕や管阿姨などの網紅と比べても明らかに見劣りした。

しかし、そのわずか1年後、「莉貝琳」は如涵の取り扱い店の中でトップ3に入る人気ショップとなる。陈思佳はその要因を次のように語る。

「私の微博フォロワー数と莉貝琳のフォロワー数は、如涵の人気店舗の中では最も少ないけれど、ショップの顧客ロイヤリティは最も高い。」

陈思佳が自身のショップフォロワーに行ったアンケート調査によると、フォロワーの70%以上が大卒以上で、教員や公務員も少なくなかった。そして、これらの顧客はベーシックなデザインや着回しのできる洋服を求める傾向にあり、また品質に対する要求も高いことが分かった。

微博では多くの人気サイトが凌ぎを削り、競争力が低下していた。陈思佳は共倒れになる前に、淘宝での販売方法を動画配信へとシフトしていく。

「どの人気サイトもきれいな写真を上手く掲載している。でも、どこも動画配信には長けていない。写真だと誤魔化しがきくが、動画カメラの前ではそうはいかない。いくつかの人気ショップはなんというか…(品質が良くないので)真似できないだろう。」

陈思佳は動画配信を取り入れることで表現の幅を広げ、品質の訴求力を高めることで差別化を図ったのである。
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“如涵の女性社長”の経歴を紐解くと、彼女の起業ストーリーは輝かしく、興味深い。陈思佳は商機を見定め、着実にチャンスを掴んできた。思い切りがよく、一旦やると決めたら、全力投球でベストを尽くす。

去年のダブル・イレブンでは、「莉貝琳」の1日の売上額が3,067万元を記録し、開始10分でファッションカテゴリーのトップ10に入った。1年前はフォロワー数が100万足らずだったショップが、今では売上額が1.33億元を超えるまでに成長を遂げたサクセスストーリーがそこにある。
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